血管内イメージングによる冠動脈硬化の評価

「はじめに」血管内イメージングは, 虚血性心疾患の診断や治療のガイダンスにおいて重要な役割を果たすとともに, 冠動脈硬化の進展過程や不安定プラークの病態生理の解明に多大な貢献をしてきた. これまで, 冠動脈病変の重症度評価には, カテーテルによる造影検査が標準的手法であったが, 1990年代に入ってから血管内超音波法(intravascular ultrasound;IVUS)が冠動脈プラークの形態学的診断に臨床応用されるようになった. IVUSは, 簡便な手法で安全に実施できることから日常臨床でも大いに活用され, プラークの増大・退縮や血管リモデリングなど, 冠動脈硬化に関する多くの知見をも...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in心臓 Vol. 45; no. 3; pp. 378 - 383
Main Author 久保, 隆史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2013
日本心臓財団・日本循環器学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.45.378

Cover

More Information
Summary:「はじめに」血管内イメージングは, 虚血性心疾患の診断や治療のガイダンスにおいて重要な役割を果たすとともに, 冠動脈硬化の進展過程や不安定プラークの病態生理の解明に多大な貢献をしてきた. これまで, 冠動脈病変の重症度評価には, カテーテルによる造影検査が標準的手法であったが, 1990年代に入ってから血管内超音波法(intravascular ultrasound;IVUS)が冠動脈プラークの形態学的診断に臨床応用されるようになった. IVUSは, 簡便な手法で安全に実施できることから日常臨床でも大いに活用され, プラークの増大・退縮や血管リモデリングなど, 冠動脈硬化に関する多くの知見をもたらした. 1990年代後半には血管内視鏡が使用可能になり, 生体内においてプラーク破裂や冠動脈内血栓を観察できるようになった. 血管内視鏡は, わが国を中心に主に研究ツールとして用いられ, 不安定プラークに関する多くのエビデンスを輩出させた.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.45.378