地域を巻き込む抗菌薬適正使用活動のポイント
多剤耐性菌対策では抗菌薬適正使用の推進と感染対策が重要である.特に抗菌薬の過剰な使用は耐性菌を増やす最大のリスクとなる.院内での啓発活動を進めることとともに,地域の病院や診療所,高齢者施設,保健所などと連携し,総合的な感染症対策ネットワークを構築することが必要である.静岡県は行政組織としての薬剤耐性対策部会,活動部隊としての制御チームの二層構造により地域ネットワークを構築した.構築までの経緯や活動内容,活動効果,新型コロナウイルス感染症パンデミック時の組織体制についてまとめた.幅広い感染症に対応できる組織作り,事務局の設置,多施設との日常的な交流がネットワークを作るうえで重要であると考える....
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Published in | 日本環境感染学会誌 Vol. 38; no. 4; pp. 160 - 166 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本環境感染学会
25.07.2023
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Summary: | 多剤耐性菌対策では抗菌薬適正使用の推進と感染対策が重要である.特に抗菌薬の過剰な使用は耐性菌を増やす最大のリスクとなる.院内での啓発活動を進めることとともに,地域の病院や診療所,高齢者施設,保健所などと連携し,総合的な感染症対策ネットワークを構築することが必要である.静岡県は行政組織としての薬剤耐性対策部会,活動部隊としての制御チームの二層構造により地域ネットワークを構築した.構築までの経緯や活動内容,活動効果,新型コロナウイルス感染症パンデミック時の組織体制についてまとめた.幅広い感染症に対応できる組織作り,事務局の設置,多施設との日常的な交流がネットワークを作るうえで重要であると考える. |
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ISSN: | 1882-532X 1883-2407 |
DOI: | 10.4058/jsei.38.160 |