小児科領域に於ける気道過敏性の評価法の標準化

気道過敏性とは成人では, 非特異的な種々の刺激に対し気道が過度な反応を示すとされている. これは小児でも同様と考えられる. 成人での気道過敏性の評価法としては欧米では, Chai, Cockcroftの方法が代表的であり, 本邦では日本アレルギー学会吸入試験標準化研究会案, 滝島らのアストグラフ法が代表的な物である. 小児における気道過敏性は, 主として気管支喘息を中心として注目を浴びている. しかし必ずしも気管支喘息にのみ気道過敏性は存在するものではなく, マイコプラズマ或はウイールス感染後にもちょっとした刺激で咳漱が長期に認めることも気道過敏性によるものと考えられる. この場合に多くは家族...

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Published in日本小児呼吸器疾患学会雑誌 Vol. 1; no. 1; pp. 90 - 91
Main Author 中嶋, 英彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本小児呼吸器疾患学会 1990
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ISSN0918-3876
2185-3754
DOI10.5701/jjpp.1.90

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Summary:気道過敏性とは成人では, 非特異的な種々の刺激に対し気道が過度な反応を示すとされている. これは小児でも同様と考えられる. 成人での気道過敏性の評価法としては欧米では, Chai, Cockcroftの方法が代表的であり, 本邦では日本アレルギー学会吸入試験標準化研究会案, 滝島らのアストグラフ法が代表的な物である. 小児における気道過敏性は, 主として気管支喘息を中心として注目を浴びている. しかし必ずしも気管支喘息にのみ気道過敏性は存在するものではなく, マイコプラズマ或はウイールス感染後にもちょっとした刺激で咳漱が長期に認めることも気道過敏性によるものと考えられる. この場合に多くは家族に気道過敏性が感染により亢進し誘発されたとして説明するが積極的に評価を試みる事はされていない. これは一つには自然緩解を認めること, また気道過敏性の評価法に使用された呼吸機能検査法が小児に特に低年齢では使用することが困難であったためである. 最大の要因は, 気道過敏性の研究は気管支喘息についてのみでよいと考えてきた私ども医師の考えにも一因があったと考えられる.
ISSN:0918-3876
2185-3754
DOI:10.5701/jjpp.1.90