ベッドパン・ウォッシャー・ディスインフェクターの洗浄評価法の課題

ベッドパン・ウォッシャー・ディスインフェクター(BWD)は水と洗浄剤,蒸気により便器や尿器などを洗浄消毒する装置である.BWDによって便器や尿器などが適切に洗浄消毒されないと,感染拡大の原因となる可能性がある.本研究では,疑似汚染物質を用いて,BWDの洗浄効果と運用上の課題を検討した.実験対象は,ベッドパン,ポータブル便器のバケツ用容器,尿器とした.洗浄評価はISO/TS 15883-5:2005で規定されているイギリス,スウェーデンの方法に倣い,疑似汚染物質を塗布後,BWDで洗浄した.イギリス,スウェーデンの方法ともに完全には疑似汚染物質を除去できず,両法間での結果は一致しなかった.どちらの...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本環境感染学会誌 Vol. 36; no. 4; pp. 231 - 234
Main Author 大石, 貴幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本環境感染学会 23.07.2021
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:ベッドパン・ウォッシャー・ディスインフェクター(BWD)は水と洗浄剤,蒸気により便器や尿器などを洗浄消毒する装置である.BWDによって便器や尿器などが適切に洗浄消毒されないと,感染拡大の原因となる可能性がある.本研究では,疑似汚染物質を用いて,BWDの洗浄効果と運用上の課題を検討した.実験対象は,ベッドパン,ポータブル便器のバケツ用容器,尿器とした.洗浄評価はISO/TS 15883-5:2005で規定されているイギリス,スウェーデンの方法に倣い,疑似汚染物質を塗布後,BWDで洗浄した.イギリス,スウェーデンの方法ともに完全には疑似汚染物質を除去できず,両法間での結果は一致しなかった.どちらの洗浄評価方法を採用するかによって,BWDの洗浄評価結果が異なることになり,バリデートを保証するツールとしての精度に疑問が残った.また,BWDによる洗浄では,尿器のハンドル部分の洗浄が不十分になり,尿器口の接合部分にも尿が残留する可能性が示唆された.
ISSN:1882-532X
1883-2407
DOI:10.4058/jsei.36.231