コロナ禍による当院手術制限の推移と検討

コロナ禍による手術件数の制限を検証した.コロナ禍の2020年度は手術総数(待機手術と緊急手術)と重症症例(ASA-PS 3以上)がコロナ前と比較して減少した.翌2021年度は前年度と比較して待機手術と重症症例は増加したが,緊急手術はさらに減少した.緊急手術の減少は上腹部内臓疾患が手術以外の代替治療を行うようになったこと,重症手術の増加は新型コロナワクチン接種が普及したことが要因として考えられた.コロナ禍以降2年以上経つ現在,国内の各医療機関は自施設の医療提供の推移と特性を検証し,今後の新興感染症流行という事態を見据えた対策を図ることが求められよう....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 43; no. 2; pp. 99 - 108
Main Authors 市林, 良浩, 江藤, 孝史, 谷, 美登利, 大西, 和宏, 池田, 正浩, 藤原, 利江
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.03.2023
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.43.99

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Summary:コロナ禍による手術件数の制限を検証した.コロナ禍の2020年度は手術総数(待機手術と緊急手術)と重症症例(ASA-PS 3以上)がコロナ前と比較して減少した.翌2021年度は前年度と比較して待機手術と重症症例は増加したが,緊急手術はさらに減少した.緊急手術の減少は上腹部内臓疾患が手術以外の代替治療を行うようになったこと,重症手術の増加は新型コロナワクチン接種が普及したことが要因として考えられた.コロナ禍以降2年以上経つ現在,国内の各医療機関は自施設の医療提供の推移と特性を検証し,今後の新興感染症流行という事態を見据えた対策を図ることが求められよう.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.43.99