中小規模病院における抗菌薬適正使用支援チーム専従薬剤師へのコンサルテーションに関する記述的研究
熊本機能病院では抗菌薬適正使用を推進するため,抗菌薬適正使用支援チーム(Antimicrobial Stewardship Team:AST)専従薬剤師(以下AS薬剤師)1名が医師や薬剤師からの抗菌薬選択や投与方法など様々なコンサルテーションに対応している.今後のコンサルテーションを適正に進めるため,AS薬剤師へのコンサルテーションに着目し,介入内容とその受入率,転帰について調査した.2018年度は医師・薬剤師より61症例,80件のコンサルテーションがあり,コンサルテーションの内容は薬剤選択が39件と最も多く,次いで用法用量が20件,投与期間が8件,細菌培養検査が7件,副作用・相互作用が6件で...
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Published in | 日本環境感染学会誌 Vol. 38; no. 6; pp. 251 - 256 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本環境感染学会
25.11.2023
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Subjects | |
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Summary: | 熊本機能病院では抗菌薬適正使用を推進するため,抗菌薬適正使用支援チーム(Antimicrobial Stewardship Team:AST)専従薬剤師(以下AS薬剤師)1名が医師や薬剤師からの抗菌薬選択や投与方法など様々なコンサルテーションに対応している.今後のコンサルテーションを適正に進めるため,AS薬剤師へのコンサルテーションに着目し,介入内容とその受入率,転帰について調査した.2018年度は医師・薬剤師より61症例,80件のコンサルテーションがあり,コンサルテーションの内容は薬剤選択が39件と最も多く,次いで用法用量が20件,投与期間が8件,細菌培養検査が7件,副作用・相互作用が6件であった.また,回答に対する受入率は95%であった.61症例のうち,受け入れのあった59症例の転帰は,49症例(83%)が治癒,7症例(12%)が判定不能,3症例(5%)が治癒に至らなかった.以上の結果より,コンサルテーションの受入率は高く,AS薬剤師が介入することにより高い治癒率を示したことから,AS薬剤師のみでも有用性が示唆された. |
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ISSN: | 1882-532X 1883-2407 |
DOI: | 10.4058/jsei.38.251 |