Antimicrobial Stewardship Teamに配置した専従薬剤師の感染症治療における支援体制の変化と効果の検討
日本大学病院では2018年4月から抗菌薬適正支援チームを発足させ専従となった薬剤師がリーダーとなり活動を開始した.全注射抗菌薬と血液培養結果の連日モニタリング,デエスカレーションの実施や周術期の抗菌薬適正使用の介入に力を入れた.活動の評価を介入前2年,介入後の初期2年(介入I期)と病棟担当薬剤師と連携した2年(介入II期)の計6年間で後方視的に調査した.抗菌薬治療の提案件数は介入I期で357件,介入II期で167件と病棟担当薬剤師の連携により減少した.全抗菌薬の使用量は段階的に低下した(中央値;301.5 vs. 282.1 vs. 263.1,p < 0.001).周術期の遵守率が低いセファ...
Saved in:
Published in | 日本環境感染学会誌 Vol. 38; no. 4; pp. 200 - 208 |
---|---|
Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本環境感染学会
25.07.2023
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
Cover
Loading…
Summary: | 日本大学病院では2018年4月から抗菌薬適正支援チームを発足させ専従となった薬剤師がリーダーとなり活動を開始した.全注射抗菌薬と血液培養結果の連日モニタリング,デエスカレーションの実施や周術期の抗菌薬適正使用の介入に力を入れた.活動の評価を介入前2年,介入後の初期2年(介入I期)と病棟担当薬剤師と連携した2年(介入II期)の計6年間で後方視的に調査した.抗菌薬治療の提案件数は介入I期で357件,介入II期で167件と病棟担当薬剤師の連携により減少した.全抗菌薬の使用量は段階的に低下した(中央値;301.5 vs. 282.1 vs. 263.1,p < 0.001).周術期の遵守率が低いセファゾリンの介入の効果と考えた.デエスカレーション実施率は増加した(前;73.3% vs. I期;90.3% vs. II期;89.8%,p < 0.001).この関係は菌血症患者でも同様であった(前;79.5% vs. I期;90.7% vs. II期;96.8%,p < 0.001).一方で30日死亡率に変化はなかった(前;8.4% vs. I期;5.2% vs. II期;3.9%,p = 0.180).配置後の効果として全抗菌薬投与量は減少し,デエスカレーション実施率は増加した.これらの効果は病棟担当薬剤師との連携後も維持されていた. |
---|---|
ISSN: | 1882-532X 1883-2407 |
DOI: | 10.4058/jsei.38.200 |