悪液質高リスクの高齢進行がん患者に対する在宅ベースの下肢筋力トレーニングプログラムの開発─NEXTAC-ONE試験の運動介入の詳細

【目的】悪液質リスクの高い高齢進行がん患者に対して,初回化学療法導入時より栄養と運動を組み合わせたマルチモーダルな介入プログラムを開発した.本研究の目的は,その中の下肢筋力トレーニングの詳細と安全性および忍容性を報告することである.【方法】対象は,初回化学療法導入予定の70歳以上の進行非小細胞肺がんおよび進行膵がん患者30例とした.下肢筋力トレーニングは約8週間の在宅ベースプログラムとし,対象者別にトレーニング内容および負荷量を設定した.【結果】介入期間中の下肢筋力トレーニングの実施割合は91(69〜95)%であった.治療継続や日常生活に影響を及ぼすような有害事象発生はなく,介入前後で身体機能...

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Published inPalliative Care Research Vol. 13; no. 4; pp. 373 - 381
Main Authors 光永, 修一, 田沼, 明, 辻, 哲也, 内藤, 立暁, 高山, 浩一, 三浦, 理, 大前, 勝弘, 盛, 啓太, 岡山, 太郎, 岩村, 明, 立松, 典篤
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本緩和医療学会 2018
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ISSN1880-5302
DOI10.2512/jspm.13.373

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Summary:【目的】悪液質リスクの高い高齢進行がん患者に対して,初回化学療法導入時より栄養と運動を組み合わせたマルチモーダルな介入プログラムを開発した.本研究の目的は,その中の下肢筋力トレーニングの詳細と安全性および忍容性を報告することである.【方法】対象は,初回化学療法導入予定の70歳以上の進行非小細胞肺がんおよび進行膵がん患者30例とした.下肢筋力トレーニングは約8週間の在宅ベースプログラムとし,対象者別にトレーニング内容および負荷量を設定した.【結果】介入期間中の下肢筋力トレーニングの実施割合は91(69〜95)%であった.治療継続や日常生活に影響を及ぼすような有害事象発生はなく,介入前後で身体機能や活動量の有意な低下は認められなかった.【結論】悪液質リスクの高い高齢進行がん患者において,われわれが開発した下肢筋力トレーニングは高い実施割合を有し,身体機能や身体活動量の維持に寄与した可能性が示唆された.
ISSN:1880-5302
DOI:10.2512/jspm.13.373