ICNの抗菌薬療法に関する看護職教育の現状とAST/ICT活動の全国実態調査

ICNによる抗菌薬療法に関する看護職への教育・指導の必要性の認識,施設における看護職への抗菌薬療法に関する教育実施の現状,ASTまたはICTでのICNの活動を明らかにすることを目的に,629施設の感染管理認定看護師または感染症看護専門看護師を対象に質問紙調査を実施し139名から回答を得た(回収率22.1%).教育・指導の必要性の認識が高かったのは,『溶解・混合するタイミング』,『投与直前に溶解・混合する理由』など抗菌薬の準備,配合変化,血中濃度測定に関する項目であった.施設内教育が実施されている割合が高かったのは,血中濃度測定,時間依存性抗菌薬の投与回数に関する項目であった.アセスメント3項目...

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Published in日本環境感染学会誌 Vol. 36; no. 6; pp. 329 - 334
Main Authors 長崎, 由紀子, 佐藤, ゆか
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本環境感染学会 25.11.2021
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Summary:ICNによる抗菌薬療法に関する看護職への教育・指導の必要性の認識,施設における看護職への抗菌薬療法に関する教育実施の現状,ASTまたはICTでのICNの活動を明らかにすることを目的に,629施設の感染管理認定看護師または感染症看護専門看護師を対象に質問紙調査を実施し139名から回答を得た(回収率22.1%).教育・指導の必要性の認識が高かったのは,『溶解・混合するタイミング』,『投与直前に溶解・混合する理由』など抗菌薬の準備,配合変化,血中濃度測定に関する項目であった.施設内教育が実施されている割合が高かったのは,血中濃度測定,時間依存性抗菌薬の投与回数に関する項目であった.アセスメント3項目については,教育が「必要である」の回答は40~60%台,施設内教育の実施は30~50%台であった.AST/ICTでの活動のうち多く行われていたのは,AST/ICT会議で,患者の状態について看護師の視点から発言することであった.抗菌薬適正使用支援へのさらなるICNの活動として,PK-PD理論に基づく抗菌薬投与および患者のアセスメントについて,看護職へ実践的な教育と情報共有を推進していくことの重要性が示唆された.
ISSN:1882-532X
1883-2407
DOI:10.4058/jsei.36.329