COVID-19対策における気管挿管時の陰圧・高性能フィルタ付き挿管ボックスの開発

COVID-19パンデミックの際には,救急専門医のみならず,エアロゾルに曝露される医療行為に従事した医療従事者全てが院内感染の危機に直面しつつも麻酔科医・集中治療医など院内医師の総力を挙げてCOVID-19患者の気管挿管を実施した.COVID-19患者の気管挿管では,感染防御と周囲への汚染拡大を防止する目的で,当初は解放型挿管ボックスが使用されたが,のちに周囲へのエアロゾル漏洩等の問題が発覚したため,新たなデバイスを開発しつつ気管挿管手技を実践せざるを得なくなった.そこで,東邦大学は防塵マスク会社と共同研究で使い捨て式陰圧付加型高性能フィルター付き挿管ボックスを開発するに至った.本稿では,開発...

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Published in日本環境感染学会誌 Vol. 36; no. 6; pp. 285 - 291
Main Authors 大岩, 彩乃, 松崎, 淳人, 鈴木, 剛人, 佐藤, 卓広, 柿沼, 朋之, 宮﨑, 泰斗, 盛田, 俊介, 瓜田, 純久, 石井, 良和, 舘田, 一博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本環境感染学会 25.11.2021
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Summary:COVID-19パンデミックの際には,救急専門医のみならず,エアロゾルに曝露される医療行為に従事した医療従事者全てが院内感染の危機に直面しつつも麻酔科医・集中治療医など院内医師の総力を挙げてCOVID-19患者の気管挿管を実施した.COVID-19患者の気管挿管では,感染防御と周囲への汚染拡大を防止する目的で,当初は解放型挿管ボックスが使用されたが,のちに周囲へのエアロゾル漏洩等の問題が発覚したため,新たなデバイスを開発しつつ気管挿管手技を実践せざるを得なくなった.そこで,東邦大学は防塵マスク会社と共同研究で使い捨て式陰圧付加型高性能フィルター付き挿管ボックスを開発するに至った.本稿では,開発の経緯を院内感染防止の観点から概括する.
ISSN:1882-532X
1883-2407
DOI:10.4058/jsei.36.285