ミニチュアカップを使用するゼーマン原子吸光分析法による標準試料 NBS bovine liver 中のカドミウムの直接定量

黒鉛ミニチュアカップを用いるゼーマン原子吸光分析法によるNBS bovine liver 中のカドミウムの直接定量に関する検討を行った.カドミウムは揮発性の高い元素であるため加熱プログラム開始直前に硫酸5μlを添加することを試みた.その結果,検量線の直線性及び測定精度は著しく向上した.硫酸濃度は4N,炭化は240℃で120秒間が最適であった.試料量とカドミウム吸光度の直線関係は,試料量(0.05~0.50)mgの範囲で成立した.感度(吸光度0.0044を示す値)は,カドミウム3×10-12gであった.標準添加法によるNBS bovine liver 中のカドミウムの定量値は,0.25μg g-...

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Published in分析化学 Vol. 31; no. 12; pp. 713 - 717
Main Authors 厚谷, 郁夫, 伊藤, 好二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 01.12.1982
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Summary:黒鉛ミニチュアカップを用いるゼーマン原子吸光分析法によるNBS bovine liver 中のカドミウムの直接定量に関する検討を行った.カドミウムは揮発性の高い元素であるため加熱プログラム開始直前に硫酸5μlを添加することを試みた.その結果,検量線の直線性及び測定精度は著しく向上した.硫酸濃度は4N,炭化は240℃で120秒間が最適であった.試料量とカドミウム吸光度の直線関係は,試料量(0.05~0.50)mgの範囲で成立した.感度(吸光度0.0044を示す値)は,カドミウム3×10-12gであった.標準添加法によるNBS bovine liver 中のカドミウムの定量値は,0.25μg g-1でNBSの保証値(0.27±0.04)μg g-1と良く一致した.精度は変動係数として9.6%であった.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.31.12_713