重症心身障害を有する成人に作業選択意思決定支援ソフトによる目標設定と食事動作に焦点を当てた課題指向型トレーニングを実施した一症例

目的:近年,共同意思決定や活動・参加に焦点を当てた理学療法介入が注目されている。今回,本人の望む作業選択が可能となる作業選択意思決定支援ソフト(Aid for Decision-making in Occupation Choice ; ADOC)を用いて目標を設定し,目標に対する課題指向型トレーニング(Task-Oriented Training ; TOT)を通じて食事動作が改善した重症心身障害を有する成人の一例を報告する。症例と経過:症例は重症心身障害児者施設に入所している20代の男性である。今回,本人にiPadを提示し,ADOCのイラストから本人のやりたい作業の選択を行った。そして生活...

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Published in小児理学療法学 Vol. 2; no. 1; pp. 24 - 32
Main Authors 木村, 優希, 阿部, 広和, 秋山, 亜衣, 儀間, 裕貴, 樋口, 滋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本小児理学療法学会 29.03.2024
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ISSN2758-6456
DOI10.60187/jjppt.2302

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Summary:目的:近年,共同意思決定や活動・参加に焦点を当てた理学療法介入が注目されている。今回,本人の望む作業選択が可能となる作業選択意思決定支援ソフト(Aid for Decision-making in Occupation Choice ; ADOC)を用いて目標を設定し,目標に対する課題指向型トレーニング(Task-Oriented Training ; TOT)を通じて食事動作が改善した重症心身障害を有する成人の一例を報告する。症例と経過:症例は重症心身障害児者施設に入所している20代の男性である。今回,本人にiPadを提示し,ADOCのイラストから本人のやりたい作業の選択を行った。そして生活支援を行う介護福祉士や保育士らと得られた情報を共有し,食事動作に対する反復的なTOTを日常生活内で2か月間実施した。結果,食事動作にて客観的・主観的双方における改善を認めた。結論:ADOCを用いて共同で目標設定を行い,目標に対するTOTを協働で,日常的に実施したことで,食事動作に改善が見られた症例を経験した。
ISSN:2758-6456
DOI:10.60187/jjppt.2302