細胞外マトリックスから見たケロイド

ケロイドは,細胞増殖が主体の腫瘍とは異なり,細胞外マトリックスの増殖を主体とした病変と考えられている。皮膚の細胞外マトリックスは,コラーゲン,ヒアルロン酸,プロテオグリカンが主体となっている。ケロイド病変部では,特徴的なコラーゲン線維の束やヒアルロン酸の分布が正常部とは異なることが報告されている。また,プロテオグリカンの構成成分であるグリコサミノグリカン(GAG)の過剰蓄積,弾性線維の減少・消失が報告されているが,ケロイドの病態形成との関連は,いまだ解明されていない。今後細胞外マトリックスの異常そのものが,どのようにケロイドの病態形成にかかわっているかを解明し,細胞外マトリックスの産生・代謝を...

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Published in創傷 Vol. 5; no. 2; pp. 51 - 55
Main Authors 磯貝, 善蔵, 貴志, 和生, 岡部, 圭介, 荒牧, 典子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本創傷外科学会 2014
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ISSN1884-880X
DOI10.11310/jsswc.5.51

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Summary:ケロイドは,細胞増殖が主体の腫瘍とは異なり,細胞外マトリックスの増殖を主体とした病変と考えられている。皮膚の細胞外マトリックスは,コラーゲン,ヒアルロン酸,プロテオグリカンが主体となっている。ケロイド病変部では,特徴的なコラーゲン線維の束やヒアルロン酸の分布が正常部とは異なることが報告されている。また,プロテオグリカンの構成成分であるグリコサミノグリカン(GAG)の過剰蓄積,弾性線維の減少・消失が報告されているが,ケロイドの病態形成との関連は,いまだ解明されていない。今後細胞外マトリックスの異常そのものが,どのようにケロイドの病態形成にかかわっているかを解明し,細胞外マトリックスの産生・代謝を制御することで,ケロイド治療法の開発に発展していく可能性があると考えられる。
ISSN:1884-880X
DOI:10.11310/jsswc.5.51