小児虫垂原発神経内分泌腫瘍の1例 追加切除の適応についての考察

虫垂炎手術を契機に発見された虫垂原発神経内分泌腫瘍を経験したので報告する.症例は10歳女児.急性虫垂炎の診断で虫垂切除術を施行した.切除標本の病理検査で虫垂原発神経内分泌腫瘍と診断された.虫垂原発神経内分泌腫瘍は術前診断されることは稀で切除後に病理で診断されることがほとんどである.比較的予後のよい疾患ではあるが,転移・再発の報告もあることから,追加切除の必要性の判断が重要である.漿膜外浸潤,切除断端,脈管浸潤,悪性度(MIB-1 index),および腫瘍径が重要であり,文献的考察を基にそれらを用いた追加切除の適応を判断するためのアルゴリズムを考案した.このアルゴリズムに当てはめ追加切除はせず経...

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Published in日本小児外科学会雑誌 Vol. 54; no. 1; pp. 45 - 49
Main Authors 芦塚, 修一, 金森, 大輔, 田中, 圭一朗, 吉澤, 穰治, 大橋, 伸介, 水野, 良児, 梶, 沙友里
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児外科学会 20.02.2018
日本小児外科学会
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ISSN0288-609X
2187-4247
DOI10.11164/jjsps.54.1_45

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Summary:虫垂炎手術を契機に発見された虫垂原発神経内分泌腫瘍を経験したので報告する.症例は10歳女児.急性虫垂炎の診断で虫垂切除術を施行した.切除標本の病理検査で虫垂原発神経内分泌腫瘍と診断された.虫垂原発神経内分泌腫瘍は術前診断されることは稀で切除後に病理で診断されることがほとんどである.比較的予後のよい疾患ではあるが,転移・再発の報告もあることから,追加切除の必要性の判断が重要である.漿膜外浸潤,切除断端,脈管浸潤,悪性度(MIB-1 index),および腫瘍径が重要であり,文献的考察を基にそれらを用いた追加切除の適応を判断するためのアルゴリズムを考案した.このアルゴリズムに当てはめ追加切除はせず経過観察中であるが,術後3年4か月経過し再発はしていない.
ISSN:0288-609X
2187-4247
DOI:10.11164/jjsps.54.1_45