福島第一原子力発電所事故後のウェブサイト「専門家が答える暮らしの放射線Q&A」の活動内容分析と得られた教訓 この経験を未来に伝承するために

「I はじめに」2011年3月11日の東日本大震災で引き起こされた大津波による東京電力ホールディングス (株) 福島第一原子力発電所の事故では, 事故の発生と同時に日本保健物理学会 (以下, 「保物学会」という. ) の有力メンバーの多くは所属組織及び国組織での事故対応業務に忙殺されることとなり, まさに保物学会関係者が放射線防護の専門家として緊急時の対応を求められる毎日となった. 本来は, 存在感が示されなければならない保物学会であるが, 政府の広報及びメディアの報道からはその存在が明白に見えることはなく, 保物学会自体の機能が窒息状態になっていると思われても仕方ない状況であった. 保物学会...

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Published in保健物理 Vol. 55; no. 4; pp. 226 - 238
Main Authors 尾上, 洋介, 河野, 恭彦, 長屋, 弘, 鳥居, 寛之, 下, 道國, 早川, 博信, 谷口, 和史, 田中, 仁美, 宇野, 賀津子, 田中, 雅人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本保健物理学会 28.12.2020
Subjects
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ISSN0367-6110
1884-7560
DOI10.5453/jhps.55.226

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Summary:「I はじめに」2011年3月11日の東日本大震災で引き起こされた大津波による東京電力ホールディングス (株) 福島第一原子力発電所の事故では, 事故の発生と同時に日本保健物理学会 (以下, 「保物学会」という. ) の有力メンバーの多くは所属組織及び国組織での事故対応業務に忙殺されることとなり, まさに保物学会関係者が放射線防護の専門家として緊急時の対応を求められる毎日となった. 本来は, 存在感が示されなければならない保物学会であるが, 政府の広報及びメディアの報道からはその存在が明白に見えることはなく, 保物学会自体の機能が窒息状態になっていると思われても仕方ない状況であった. 保物学会に対して外部から何らかの要請があった場合に備えて, 受け皿を用意しておく必要性が意識されていた. そこで, まず保物学会の会員13名がボランティアとして, 3月16日に有志の会「保物チーム」を立ち上げ, 保物学会理事会から設立の承認を得た.
ISSN:0367-6110
1884-7560
DOI:10.5453/jhps.55.226