胆道疾患に対するEUS関連手技の歩みと安全性の追求

近年ではEUSの技術とデバイスの進歩により,胆道疾患に対するEUSガイド下胆道ドレナージ術(Endoscopic ultrasound-guided biliary drainage:EUS-BD)やEUS下針生検(EUS-FNA/B)の導入が進んでいる.特に,EUS-BDは,ERCPが困難な症例に対しても有効であり,ERCPと並んで今後の胆道ドレナージの標準治療として期待される.本総説では,日本消化器内視鏡学会が提案する“EUS関連手技の分類と用語”を紹介し,5つのカテゴリーに分けられたそれぞれの手技の特徴について概説する.続けてEUS-BDに焦点を絞り,手技を安全に施行するうえで重要な技術...

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Published in胆道 Vol. 39; no. 2; pp. 203 - 210
Main Authors 伊佐山, 浩通, 髙崎, 祐介, 髙橋, 翔, 藤澤, 聡郎, 冨嶋, 享, 石井, 重登
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本胆道学会 31.05.2025
日本胆道学会
Subjects
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.39.203

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Summary:近年ではEUSの技術とデバイスの進歩により,胆道疾患に対するEUSガイド下胆道ドレナージ術(Endoscopic ultrasound-guided biliary drainage:EUS-BD)やEUS下針生検(EUS-FNA/B)の導入が進んでいる.特に,EUS-BDは,ERCPが困難な症例に対しても有効であり,ERCPと並んで今後の胆道ドレナージの標準治療として期待される.本総説では,日本消化器内視鏡学会が提案する“EUS関連手技の分類と用語”を紹介し,5つのカテゴリーに分けられたそれぞれの手技の特徴について概説する.続けてEUS-BDに焦点を絞り,手技を安全に施行するうえで重要な技術的工夫や,新しいデバイスを主な偶発症別にまとめて紹介する.最後に内視鏡的胆道ドレナージに対する評価方法の標準化に関して提案している“改訂版TOKYO criteria 2024”の内容を特にEUS-BDに関連する内容に関して説明する.手技の用語や評価項目を統一することにより,研究間でデータの比較が容易になり,胆道疾患におけるEUS関連手技が今後さらに発展することを期待している.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.39.203