小児科領域におけるPanipenem/Betamipron(カルベニン®)の臨床的, 細菌学的検討

PAPM/BP発売後15医療施設小児科で集積された呼吸器感染症を中心とする207例のうち, 除外例19例を除く188例について臨床的検討を行った。 臨床的検討では, 敗血症, 化膿性髄膜炎に対してそれぞれ3例/3例が有効以上, 呼吸器感染症である咽喉頭炎9例/10例, 扁桃炎6例/7例, 急性気管支炎56例/63例, 肺炎90例/98例, 膿胸1例/1例, 慢性呼吸器疾患の二次感染1例/1例, 皮膚軟部疾患のリンパ節炎2例/2例で, 有効率は合計171例/188例 (91.0%) であった。 細菌学的検討は, グラム陽性菌の消失率がS. aureus 5株/5株, S.pneumoniae30...

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Published inThe Japanese Journal of Antibiotics Vol. 51; no. 4; pp. 286 - 297
Main Authors 加藤, 達夫, 五島, 敏郎, 秋田, 博伸, 水原, 春郎, 小板橋, 靖, 箕原, 豊, 菅谷, 憲夫, 尾崎, 亮, 三浦, 大, 高倉, 巌, 王, 康雅, 鹿田, 昌宏, 柴若, 継雄, 原, 光宏, 番場, 正博, 阿座上, 志郎, 森, 直行, 有本, 寛, 横田, 隆夫, 清水, 俊一, 郡, 建男, 城, 裕之, 城崎, 慶治, 河西, 紀昭, 加久, 浩文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本感染症医薬品協会 25.04.1998
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Summary:PAPM/BP発売後15医療施設小児科で集積された呼吸器感染症を中心とする207例のうち, 除外例19例を除く188例について臨床的検討を行った。 臨床的検討では, 敗血症, 化膿性髄膜炎に対してそれぞれ3例/3例が有効以上, 呼吸器感染症である咽喉頭炎9例/10例, 扁桃炎6例/7例, 急性気管支炎56例/63例, 肺炎90例/98例, 膿胸1例/1例, 慢性呼吸器疾患の二次感染1例/1例, 皮膚軟部疾患のリンパ節炎2例/2例で, 有効率は合計171例/188例 (91.0%) であった。 細菌学的検討は, グラム陽性菌の消失率がS. aureus 5株/5株, S.pneumoniae30株/31株 (96.8%), S. pyogenes 3株/3株であった。一方グラム陰性菌はH. influenzae15株/17株 (88.2%), M. catarrhalis3株/4株, K. pneumoniae2株/2株であり, 合計70株/76株 (92.1%) であった。また, 検討し得たS. pneumoniae23株のうちペニシリン耐性菌は56.5%を占あ, その消失率は100%であった。 副作用は重篤な症例は認めず, その発現率も1.45%であった。検査値異常はGOT, GPT上昇8例 (3.88%), LDH上昇1例 (0.48%), 好中球減少1例 (0.51%) が認められた。 以上より, 本薬は小児科領域感染症に対して有用で, 安全性が高いことから第一選択薬となりうる薬剤と考えられる。
ISSN:0368-2781
2186-5477
DOI:10.11553/antibiotics1968b.51.286