当科における一側性声帯麻痺に対する喉頭形成術症例の治療成績

「はじめに」 一側性声帯麻痺は耳鼻咽喉科頭頸部外科診療においてしばしば遭遇する疾患であり, 大動脈瘤, 肺癌, 食道癌, 脳梗塞や神経疾患などその原疾患は多岐にわたる. また甲状腺手術などの頭頸部領域の手術以外にも, 心大血管, 肺, 食道, 縦隔などの手術によっても起こり得る. 自然軽快する症例も散見されるが, 改善が得られない場合には著しい生活の質の低下を引き起こし日常生活に支障をきたすため, 音声改善手術が必要となる. 当科では2016年10月より音声専門外来を設置し喉頭疾患および音声障害の診療を行なっているが, 一側性声帯麻痺症例は新規受診患者に占める割合が最も多く, 約1/4を占めて...

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Published in喉頭 Vol. 36; no. 1; pp. 28 - 33
Main Authors 倉上, 和也, 荒木, 直人, 欠畑, 誠治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本喉頭科学会 01.06.2024
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Summary:「はじめに」 一側性声帯麻痺は耳鼻咽喉科頭頸部外科診療においてしばしば遭遇する疾患であり, 大動脈瘤, 肺癌, 食道癌, 脳梗塞や神経疾患などその原疾患は多岐にわたる. また甲状腺手術などの頭頸部領域の手術以外にも, 心大血管, 肺, 食道, 縦隔などの手術によっても起こり得る. 自然軽快する症例も散見されるが, 改善が得られない場合には著しい生活の質の低下を引き起こし日常生活に支障をきたすため, 音声改善手術が必要となる. 当科では2016年10月より音声専門外来を設置し喉頭疾患および音声障害の診療を行なっているが, 一側性声帯麻痺症例は新規受診患者に占める割合が最も多く, 約1/4を占めている. 音声障害の程度は症例によって異なるものの日常生活に支障をきたしている症例も少なくなく, このような症例に対して喉頭形成術は非常に有用であり必要不可欠であると考えている. 今回われわれは, 一側性声帯麻痺に対して音声改善目的に喉頭形成術を施行した症例について検討を行ったので, 文献的考察を含め報告する.
ISSN:0915-6127
2185-4696
DOI:10.5426/larynx.36.28