施設の特性および専門職種がカルバペネム系抗菌薬の採用状況に及ぼす影響―新潟県におけるアンケート調査

カルバペネム系抗菌薬の施設間の採用状況を明らかにするためにアンケート調査の解析を行った.対象は新潟県内の病院81施設として,急性期63施設および慢性期18施設の2群に分けて採用状況に関連する因子を検討した.その結果,急性期および慢性期におけるカルバペネム系抗菌薬の採用数の中央値は3および2剤と有意に急性期で採用数が多かった(P<0.01).また,急性期および慢性期における薬剤ごとの採用割合については,メロペネムが94および89%,イミペネム水和物/シラスタチンナトリウムが79および59%と有意な差を認めなかった.一方,ドリペネム水和物は56および17%(P<0.01),ビアペネムは48および6...

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Published in日本環境感染学会誌 Vol. 35; no. 1; pp. 43 - 47
Main Authors 三星, 知, 細川, 浩輝, 佐藤, 智功, 継田, 雅美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本環境感染学会 25.01.2020
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Summary:カルバペネム系抗菌薬の施設間の採用状況を明らかにするためにアンケート調査の解析を行った.対象は新潟県内の病院81施設として,急性期63施設および慢性期18施設の2群に分けて採用状況に関連する因子を検討した.その結果,急性期および慢性期におけるカルバペネム系抗菌薬の採用数の中央値は3および2剤と有意に急性期で採用数が多かった(P<0.01).また,急性期および慢性期における薬剤ごとの採用割合については,メロペネムが94および89%,イミペネム水和物/シラスタチンナトリウムが79および59%と有意な差を認めなかった.一方,ドリペネム水和物は56および17%(P<0.01),ビアペネムは48および6%(P<0.01),パニペネム/ベタミプロンは44および11%(P<0.01)と有意に急性期での採用割合が多かった.さらに,重回帰分析の結果,採用品目数と関連する因子として急性期施設(P=0.02)及びICD在籍(P=0.03)が正の有意な相関を認めた.本研究結果より,各医療機関の特性によりカルバペネム系抗菌薬の使用状況が大きく異なることが示唆された.また,認定薬剤師も抗菌薬採用に関わるような活動が必要と考えられる.
ISSN:1882-532X
1883-2407
DOI:10.4058/jsei.35.43