シクロオキシゲナーゼ-2のヒト遺伝子構造と発現

種々のプロスタグランジン(PG)は, 疼痛, 発熱をはじめさまざまな炎症反応のメディエーターとして働く. その生合成は, アラキドン酸からPGG2を生成するシクロオキシゲナーゼ反応と, PGG2からPGH2を生成するヒドロペルオキシダーゼ反応の二つの反応を触媒する二機能性酵素, PGエンドペルオキシド合成酵素(EC1. 14. 99. 1, 一般には簡略化してたんにシクロオキシゲナーゼとよばれる場合が多い. 以下, 本稿では, COXと略記することにする)により制御されている. 非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の多くは, この酵素のシクロオキシゲナーゼ活性を阻害しPG産生を抑制することによ...

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Published in炎症 Vol. 15; no. 4; pp. 283 - 292
Main Authors 田辺, 忠, 七山, 豊通, 原, 俊太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本炎症・再生医学会 10.07.1995
日本炎症学会
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ISSN0389-4290
1884-4006
DOI10.2492/jsir1981.15.283

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Summary:種々のプロスタグランジン(PG)は, 疼痛, 発熱をはじめさまざまな炎症反応のメディエーターとして働く. その生合成は, アラキドン酸からPGG2を生成するシクロオキシゲナーゼ反応と, PGG2からPGH2を生成するヒドロペルオキシダーゼ反応の二つの反応を触媒する二機能性酵素, PGエンドペルオキシド合成酵素(EC1. 14. 99. 1, 一般には簡略化してたんにシクロオキシゲナーゼとよばれる場合が多い. 以下, 本稿では, COXと略記することにする)により制御されている. 非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の多くは, この酵素のシクロオキシゲナーゼ活性を阻害しPG産生を抑制することにより治療効果を発揮するが, 同時に胃潰瘍や腎障害などの副作用を引き起こすことも知られている. 最近, COXの新しいアイソザイムとしてCOX-2が見出され, COXには少なくとも2種類のアイソザイムが存在することが明らかとなった. 以前より研究されてきたCOX-1が, 胃や腎をはじめさまざまな組織に構成的に発現しているのに対し, COX-2は炎症性刺激などに応じて短時間に誘導され, COX-1と明らかに異なる発現パターンを示す.
ISSN:0389-4290
1884-4006
DOI:10.2492/jsir1981.15.283