呼吸器外科手術の術前評価と管理

呼吸器外科手術の適応は,切除可能性,呼吸機能,身体機能,片肺換気が実施可能かを評価し決定する.呼吸機能は,術後予測1秒量や肺拡散能が正常値の30%未満はリスクが高い.身体機能は,運動耐容能試験で最大酸素摂取量10mL/kg/min未満は非常にリスクが高い.片肺換気はガス交換と循環に大きく影響する.その実施可能性は,術前の血液ガス分析値,運動耐容能,肺高血圧症と右心不全の有無,片肺換気時の予測最大一回換気量等で評価する.低耐術能患者には合併疾患への術前介入やプレハビリテーションを行い,リスク因子改善と状態適正化後に手術適応を判断する.プレハビリテーションはリスクの管理から低減への転換である....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 42; no. 7; pp. 622 - 629
Main Authors 外山, 裕章, 高橋, 和博, 海法, 悠, 齊藤, 和智, 武井, 祐介, 江島, 豊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.11.2022
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Summary:呼吸器外科手術の適応は,切除可能性,呼吸機能,身体機能,片肺換気が実施可能かを評価し決定する.呼吸機能は,術後予測1秒量や肺拡散能が正常値の30%未満はリスクが高い.身体機能は,運動耐容能試験で最大酸素摂取量10mL/kg/min未満は非常にリスクが高い.片肺換気はガス交換と循環に大きく影響する.その実施可能性は,術前の血液ガス分析値,運動耐容能,肺高血圧症と右心不全の有無,片肺換気時の予測最大一回換気量等で評価する.低耐術能患者には合併疾患への術前介入やプレハビリテーションを行い,リスク因子改善と状態適正化後に手術適応を判断する.プレハビリテーションはリスクの管理から低減への転換である.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.42.622