静岡県立こども病院において言語相談を行った低出生体重児に関する調査

過去10年間に当院新生児未熟児科より言語相談依頼のあった2500g未満の低出生体重児124名(男児71名,女児53名)を対象に,(1)言語発達の傾向,(2)対象児の在胎週数,出生体重,および言語相談初診時年齢の経年的変化,(3)ST指導,についての調査を行った.(1)対象児の一語文・二語文の初発年齢は全体的に正常発達に比べ遅れるものが多く,また知的発達の遅れを認めないものであっても初期の言語発達は遅れるものが多かった.出生体重と言語発達には明らかな関連はみられなかった.(2)言語相談依頼数は増加傾向にあり,近年特に超低出生体重児や極低出生体重児の割合が増加していた.また,在胎週数28週未満の超...

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Published inコミュニケーション障害学 Vol. 24; no. 3; pp. 181 - 186
Main Authors 北野, 市子, 栗田, 千寿
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本コミュニケーション障害学会 31.12.2007
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ISSN1347-8451
1884-7048
DOI10.11219/jjcomdis2003.24.181

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Summary:過去10年間に当院新生児未熟児科より言語相談依頼のあった2500g未満の低出生体重児124名(男児71名,女児53名)を対象に,(1)言語発達の傾向,(2)対象児の在胎週数,出生体重,および言語相談初診時年齢の経年的変化,(3)ST指導,についての調査を行った.(1)対象児の一語文・二語文の初発年齢は全体的に正常発達に比べ遅れるものが多く,また知的発達の遅れを認めないものであっても初期の言語発達は遅れるものが多かった.出生体重と言語発達には明らかな関連はみられなかった.(2)言語相談依頼数は増加傾向にあり,近年特に超低出生体重児や極低出生体重児の割合が増加していた.また,在胎週数28週未満の超早産児の割合も増加していた.(3)何らかのSTフォローを継続するケースが多いことから,子どもの発達状況を把握し必要な指導を行うだけでなく,母親サポートも含めた長期的な関わりの場としての役割も重要であると考えられた.
ISSN:1347-8451
1884-7048
DOI:10.11219/jjcomdis2003.24.181