Bow-tie眼振を示したアーノルド・キアリ奇形の1例 240 Hz 高速サンプリング VOG システムを用いた三次元眼球運動解析

「緒言」Bow-tie眼振は, 純垂直性の緩徐相と水平方向が左右交互に交代する斜行性の急速相により, その軌跡が蝶ネクタイ状である眼振で, 比較的稀な症候である. Bow-tie眼振は, 1987年にSibonyらによって初めて報告され, これまでに小脳梗塞や小脳失調, 脳幹奇形, 喫煙などとの関連が報告されている. しかし, その発生機序は未だ明らかではない. 通常, 眼振の緩徐相と急速相の軌跡はほぼ同一であるが, bow-tie眼振では緩徐相と急速相の軌跡が全く異なるので, bow-tie眼振の解析には緩徐相のみでなく, 急速相の解析も必要である. 従来の30Hz画像サンプリングのvide...

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Published inEquilibrium Research Vol. 74; no. 2; pp. 66 - 72
Main Authors 堀井, 新, 大薗, 芳之, 西池, 季隆, 宇野, 敦彦, 森鼻, 哲生, 滝本, 泰光, 太田, 有美, 花田, 有紀子, 増村, 千佐子, 鎌倉, 武史, 今井, 貴夫, 猪原, 秀典, 岩本, 依子, 奥村, 朋子, 真貝, 佳代子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本めまい平衡医学会 01.04.2015
日本めまい平衡医学会
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ISSN0385-5716
1882-577X
DOI10.3757/jser.74.66

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Summary:「緒言」Bow-tie眼振は, 純垂直性の緩徐相と水平方向が左右交互に交代する斜行性の急速相により, その軌跡が蝶ネクタイ状である眼振で, 比較的稀な症候である. Bow-tie眼振は, 1987年にSibonyらによって初めて報告され, これまでに小脳梗塞や小脳失調, 脳幹奇形, 喫煙などとの関連が報告されている. しかし, その発生機序は未だ明らかではない. 通常, 眼振の緩徐相と急速相の軌跡はほぼ同一であるが, bow-tie眼振では緩徐相と急速相の軌跡が全く異なるので, bow-tie眼振の解析には緩徐相のみでなく, 急速相の解析も必要である. 従来の30Hz画像サンプリングのvideo-oculography (VOG) systemでは急速相の解析が不可能であった. 高速画像サンプリングでのVOGとして, HalmagyiとCurthoysにより報告されたvideo head impulse systemがあり, 近年では250Hzでの画像サンプリングが可能となっているが, 三次元解析はできない.
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.74.66