発達期環境に起因する疾患素因の形成機構 DOHaDの視点から
「新しい概念DOHaD」 出生体重の低下は多様な生活習慣病を含めた多様な成人病の発症リスクが高い事が明らかとなってきている. これはDavid JP Barkerが最初に提示したFetal Origins of Health and Disease(成人病胎児期発症起源説 : バーカー説)である. 仮説としてこの説は無視に近い状況が続いたが, 有名な米国Nurses Health Studyで出生体重と心臓循環器系疾患の発症リスクに明確な関連性のある事が明らかになり, 多くの関心を集めるになった. その後, 膨大な疫学研究が行われて, 出生体重と疾病発症リスクには密接な関連のある事が明らかとな...
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Published in | 日本衛生学雑誌 Vol. 71; no. 3; pp. 185 - 187 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本衛生学会
2016
日本衛生学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0021-5082 1882-6482 |
DOI | 10.1265/jjh.71.185 |
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Summary: | 「新しい概念DOHaD」 出生体重の低下は多様な生活習慣病を含めた多様な成人病の発症リスクが高い事が明らかとなってきている. これはDavid JP Barkerが最初に提示したFetal Origins of Health and Disease(成人病胎児期発症起源説 : バーカー説)である. 仮説としてこの説は無視に近い状況が続いたが, 有名な米国Nurses Health Studyで出生体重と心臓循環器系疾患の発症リスクに明確な関連性のある事が明らかになり, 多くの関心を集めるになった. その後, 膨大な疫学研究が行われて, 出生体重と疾病発症リスクには密接な関連のある事が明らかとなり, この説の正しさが明らかとなってきている. この説は, 疫学調査や動物実験・ヒト生体試料の解析から, 「受精時, 胎芽期, 胎児期の子宮内及び乳幼児期(developmental stage)の望ましくない環境がエピゲノム変化を起こし, それが疾病素因となり, 出生後の環境との相互作用によって疾病が発症する. |
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ISSN: | 0021-5082 1882-6482 |
DOI: | 10.1265/jjh.71.185 |