細菌感染症に対する宿主応答に関する研究 個体レベルの解析

病原性細菌と宿主防御機構は, 両者の攻防の中でお互いの進化を遂げてきた。両者の相互作用を解明するためには個体レベルの研究が必須と考え, 細胞内寄生性細菌であるリステリア(Listeria monocytogenes)と細胞外増殖性細菌である黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)感染系を用いて, 両者の攻防をさまざまな側面から解析してきた。その中で, 感染防御におけるサイトカインの役割の解明, 肥満や糖尿病における宿主感染防御の減弱メカニズムの解明, ブドウ球菌エンテロトキシン(SE)ファミリー分子を用いた黄色ブドウ球菌ワクチンの開発, SEA の催吐メカニズムの解明につい...

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Published in日本細菌学雑誌 Vol. 69; no. 3; pp. 479 - 489
Main Author 中根, 明夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本細菌学会 25.12.2014
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ISSN0021-4930
1882-4110
DOI10.3412/jsb.69.479

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Summary:病原性細菌と宿主防御機構は, 両者の攻防の中でお互いの進化を遂げてきた。両者の相互作用を解明するためには個体レベルの研究が必須と考え, 細胞内寄生性細菌であるリステリア(Listeria monocytogenes)と細胞外増殖性細菌である黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)感染系を用いて, 両者の攻防をさまざまな側面から解析してきた。その中で, 感染防御におけるサイトカインの役割の解明, 肥満や糖尿病における宿主感染防御の減弱メカニズムの解明, ブドウ球菌エンテロトキシン(SE)ファミリー分子を用いた黄色ブドウ球菌ワクチンの開発, SEA の催吐メカニズムの解明について, 筆者の個体レベルの研究の歴史としてまとめた。
ISSN:0021-4930
1882-4110
DOI:10.3412/jsb.69.479