ケナガネズミ(Diplothrix legata)における広東住血線虫(Angiostrongylus cantonensis)感染の初記録

沖縄島やんばる地域における広東住血線虫はクマネズミなどで寄生が確認されているものの,在来のケナガネズミなどにおける感染状況や病原性は不明であった。本症例はケナガネズミが広東住血線虫感染により死亡した初の報告事例であり,病原性が明らかとなった。これは人獣共通感染症である広東住血線虫症が,人のみならず野生動物にも悪影響を及ぼし,特に希少野生動物の多いやんばる地域においては大きな脅威となる可能性があることを示している。...

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Published in日本野生動物医学会誌 Vol. 18; no. 2; pp. 71 - 74
Main Authors 中谷, 裕美子, 岡野, 司, 大沼, 学, 吉川, 堯, 齊藤, 雄太, 田中, 暁子, 福田, 真, 中田, 勝士, 國吉, 沙和子, 長嶺, 隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本野生動物医学会 2013
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Summary:沖縄島やんばる地域における広東住血線虫はクマネズミなどで寄生が確認されているものの,在来のケナガネズミなどにおける感染状況や病原性は不明であった。本症例はケナガネズミが広東住血線虫感染により死亡した初の報告事例であり,病原性が明らかとなった。これは人獣共通感染症である広東住血線虫症が,人のみならず野生動物にも悪影響を及ぼし,特に希少野生動物の多いやんばる地域においては大きな脅威となる可能性があることを示している。
ISSN:1342-6133
2185-744X
DOI:10.5686/jjzwm.18.71