H. pylori除菌後にESD出血制御可能であったITP合併胃癌

「はじめに」免疫性血小板減少症(Immune thrombocytopenia, ITP)は, 白血球, 赤血球に異常なく, 血小板の破壊と産生障害により血小板の単独減少を生じる自己免疫性疾患である. また, 胃腫瘍に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)中の出血は, 後出血も含めたマネージメントが重要となる. そのため, 高侵襲の内視鏡手技においては, 血小板値のコントロールは不可欠である. H. pylori除菌にて血小板値の上昇, 術中術後の出血コントロール可能であった免疫性血小板減少症合併早期胃癌の一例を経験したので報告する. 「症例」患者: 70歳代, 男性 主訴: なし(血小板低値...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 102; no. 1; pp. 83 - 85
Main Authors 吉田, 良仁, 黒木, 優一郎, 金澤, 実, 見原, 雄貴, 得平, 卓也, 高橋, 秀明, 松本, 伸行, 長宗我部, 基弘, 有泉, 泰, 立石, 敬介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 30.06.2023
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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Summary:「はじめに」免疫性血小板減少症(Immune thrombocytopenia, ITP)は, 白血球, 赤血球に異常なく, 血小板の破壊と産生障害により血小板の単独減少を生じる自己免疫性疾患である. また, 胃腫瘍に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)中の出血は, 後出血も含めたマネージメントが重要となる. そのため, 高侵襲の内視鏡手技においては, 血小板値のコントロールは不可欠である. H. pylori除菌にて血小板値の上昇, 術中術後の出血コントロール可能であった免疫性血小板減少症合併早期胃癌の一例を経験したので報告する. 「症例」患者: 70歳代, 男性 主訴: なし(血小板低値) 現病歴: 10年前より血小板低値が指摘されていた. H. pylori抗体陽性であり, 除菌療法を含めた精査加療目的で近医より当院紹介受診となる. 既往歴: 高血圧, 骨粗鬆症 常用薬: ニフェジピン, アルファカルシドール
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.102.1_83