心肺蘇生後判明した川崎病が疑われる1症例

症例は30歳代男性.23歳時にスポーツ後に意識消失の既往があったが精査は受けていなかった.2015年4月某日,バスケットボール直後の休憩中に倒れている所を友人達に発見された.偶然居合わせた当院看護師により直ちにBLSが開始された.救急隊到着後にAEDにて心室細動を認めたため除細動を施行され,自己心拍再開となった.緊急搬送時の12誘導心電図検査にて下壁誘導にST低下を認め,心エコーにて壁運動異常を認めたため,急性冠症候群を疑い緊急冠動脈造影を施行.左前下行枝・左回旋枝起始部に慢性完全閉塞病変を認め,閉塞部位以遠は右冠動脈からの側副血行路により灌流されていた.逆行性に造影された左回旋枝の近位部に瘤...

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Published in心臓 Vol. 49; no. SUPPL.1; p. S1_143
Main Authors 瀬尾, 昌裕, 古川, 善郎, 山田, 貴久, 森田, 孝, 玉置, 俊介, 岩崎, 祐介, 川﨑, 真佐登, 菊池, 篤志, 近藤, 匠巳, 尾崎, 立尚, 佐藤, 嘉洋, 池田, 依代, 福原, 英二, 中村, 淳, 福並, 正剛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 28.08.2017
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Summary:症例は30歳代男性.23歳時にスポーツ後に意識消失の既往があったが精査は受けていなかった.2015年4月某日,バスケットボール直後の休憩中に倒れている所を友人達に発見された.偶然居合わせた当院看護師により直ちにBLSが開始された.救急隊到着後にAEDにて心室細動を認めたため除細動を施行され,自己心拍再開となった.緊急搬送時の12誘導心電図検査にて下壁誘導にST低下を認め,心エコーにて壁運動異常を認めたため,急性冠症候群を疑い緊急冠動脈造影を施行.左前下行枝・左回旋枝起始部に慢性完全閉塞病変を認め,閉塞部位以遠は右冠動脈からの側副血行路により灌流されていた.逆行性に造影された左回旋枝の近位部に瘤状病変を認め,川崎病による変化が疑われた.低体温療法後,神経学的異常は認めず,第20病日に冠動脈バイパス術を施行し,軽快退院となった.CPA後の冠動脈造影にて判明した川崎病疑いの1症例を経験した.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.49.S1_143