アデノシン感受性を有したベラパミル感受性VTの1例

症例は56歳男性. 心室性期外収縮 (VPC) のため, 紹介入院となった. 心電図はVPC (右脚ブロック+上方軸) の三段脈であった. 運動負荷検査でVPCと同一波形の単形性心室頻拍 (VT) が誘発された. ATPに対する感受性があり, ベラパミルでの停止も確認した. 心臓電気生理検査ではイソプロテレノール投与下での右室心尖部 (RVA) からの期外刺激法で再現性をもってVTの誘発が可能であった. 期外刺激の連結期とVT開始までの間隔は逆相関を認めた. RVAからのover drive pacingにてfusion波形は得られなかった. VTはATP 10mgで再現性をもって停止した....

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Published inShinzo Vol. 46; no. SUPPL.3; pp. S3_131 - S3_138
Main Authors 福岡, 裕人, 深水, 誠二, 河村, 岩成, 森山, 優一, 中田, 晃裕, 荒井, 研, 名内, 雅宏, 西村, 卓郎, 渡邉, 智彦, 北村, 健, 北條, 林太郎, 前野, 健一, 小宮山, 浩大, 田辺, 康宏, 手島, 保, 西﨑, 光弘, 櫻田, 春水, 平岡, 昌和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2014
Japan Heart Foundation
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Summary:症例は56歳男性. 心室性期外収縮 (VPC) のため, 紹介入院となった. 心電図はVPC (右脚ブロック+上方軸) の三段脈であった. 運動負荷検査でVPCと同一波形の単形性心室頻拍 (VT) が誘発された. ATPに対する感受性があり, ベラパミルでの停止も確認した. 心臓電気生理検査ではイソプロテレノール投与下での右室心尖部 (RVA) からの期外刺激法で再現性をもってVTの誘発が可能であった. 期外刺激の連結期とVT開始までの間隔は逆相関を認めた. RVAからのover drive pacingにてfusion波形は得られなかった. VTはATP 10mgで再現性をもって停止した. VT中にactivation mapを作成したところ左室中中隔にfocalな最早期興奮部位を認めVT中に55ms先行するprepotentialを認めた. 同部位にアブレーションを行ったところ, VTは停止し頻拍の誘発は不可能となった. Entrainmentの証明は困難であったが, プログラム刺激での誘発が可能であり, 逆相関がみられ, リエントリー性頻拍が考えられた. ベラパミル感受性VTでATPにも感受性のある稀な症例を経験したので報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.46.S3_131