心室中隔欠損症の血流jetが影響したと考えられた右室流出路起源心室頻拍の1例

症例は,44歳,女性.心室中隔欠損症(Ⅰ型)を指摘されていたが,シャント量は微量であり経過観察されていた.また,以前から心室性期外収縮(PVC)(正常軸左脚ブロック型,移行帯V3-4)に伴う脈の飛びを自覚していた.平成26年10月,連発する動悸を繰り返し自覚し,近医でホルター心電図を行ったところ,非持続性心室頻拍(心拍数190/分,最長30連発)を複数回認め,翌日当院へ緊急入院とした.第4病日にカテーテルアブレーションを行った.臨床的なPVCは散見されたが心室プログラム刺激で誘発できず,右室内をCARTO mappingして心臓CTとMergeさせた.pace mappingは欠損孔と同じ高さ...

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Published in心臓 Vol. 48; no. SUPPL.2; pp. S2_148 - S2_151
Main Authors 宮永, 哲, 大井, 悠平, 姜, 錬偲, 吉田, 純, 山田, 崇之, 鈴木, 健一朗, 小菅, 玄晴, 中田, 耕太郎, 石川, 哲也, 竹田, 康, 小武海, 公明, 山根, 禎一, 吉村, 道博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 30.12.2016
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Summary:症例は,44歳,女性.心室中隔欠損症(Ⅰ型)を指摘されていたが,シャント量は微量であり経過観察されていた.また,以前から心室性期外収縮(PVC)(正常軸左脚ブロック型,移行帯V3-4)に伴う脈の飛びを自覚していた.平成26年10月,連発する動悸を繰り返し自覚し,近医でホルター心電図を行ったところ,非持続性心室頻拍(心拍数190/分,最長30連発)を複数回認め,翌日当院へ緊急入院とした.第4病日にカテーテルアブレーションを行った.臨床的なPVCは散見されたが心室プログラム刺激で誘発できず,右室内をCARTO mappingして心臓CTとMergeさせた.pace mappingは欠損孔と同じ高さの右室流出路前壁で良好であり,前壁側から通電を開始して側壁側まで通電を広げた.側壁側での通電中にPVCが連発し,同部で通電を繰り返すうちにPVCは出現しなくなり,イソプロテレノール負荷でも誘発されず,手技を終了した.術後はPVC単発のみとなり,約1年間心室頻拍の再発は認めていない.心室中隔欠損症のシャント血流jetが当たる右室流出路前壁〜側壁起源の心室頻拍症例を経験し,アブレーション治療が奏功したため報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.48.S2_148