実習目標達成を導く教授活動の構造 : 「看護学実習教授活動理論」の開発に向けた仮説の導出
本研究の目的は、教員が実習目標達成場面において高い頻度で用いた教授活動の組み合わせを明らかにし、教授活動の組み合わせと実習目標達成の関係を表す仮説を導出することである。先行研究の成果「看護学実習の目標達成に必要不可欠な13の教授活動」を分析に用い、実習目標達成を導くこれら13の教授活動の組み合わせを明らかにした。分析の結果、教員が実習目標達成場面において高い頻度で用いた教授活動の組み合わせ3組が明らかになった。教授活動の組み合わせ3組とは、1)【多角的情報収集による指導計画の維持と転換】と【教授技術の組織化と活用】、2)【多角的情報収集による指導計画の維持と転換】と【実習状況査定による目標達成...
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Published in | 看護教育学研究 Vol. 16; no. 1; pp. 29 - 37 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本看護教育学学会
2007
Japan Academic Society of Nursing Education |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0917-6314 2432-0242 |
DOI | 10.19015/jasne.16.1_29 |
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Summary: | 本研究の目的は、教員が実習目標達成場面において高い頻度で用いた教授活動の組み合わせを明らかにし、教授活動の組み合わせと実習目標達成の関係を表す仮説を導出することである。先行研究の成果「看護学実習の目標達成に必要不可欠な13の教授活動」を分析に用い、実習目標達成を導くこれら13の教授活動の組み合わせを明らかにした。分析の結果、教員が実習目標達成場面において高い頻度で用いた教授活動の組み合わせ3組が明らかになった。教授活動の組み合わせ3組とは、1)【多角的情報収集による指導計画の維持と転換】と【教授技術の組織化と活用】、2)【多角的情報収集による指導計画の維持と転換】と【実習状況査定による目標達成度の評価と伝達】、3)【教授技術の組織化と活用】と【抽象化・具体化反復による看護現象の解説と原理への統合】である。考察の結果、これら3組から、教授活動の組み合わせと実習目標達成の関係を表す3仮説を導出した。3仮説とは、1)『教員が、学生の言動を観察し、それに応じて指導内容や方法を継続・変更するとともに、演示・発問などの教授技術を柔軟に用いる時、実習目標達成を導くことができる』、2)『教員が、学生の言動を観察し、それに応じて指導内容や方法を継続・変更するとともに、知識・技術の習得度を学生に明示する時、実習目標達成を導くことができる』、3)『教員が、演示・発問などの教授技術を柔軟に組み合わせて用い、学生が観察した現象と看護学の本質や法則を結びつけて説明する時、実習目標達成を導くことができる』である。 |
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ISSN: | 0917-6314 2432-0242 |
DOI: | 10.19015/jasne.16.1_29 |