2003 年から2007 年における当院患児由来A 群ロタウイルスG 血清型の検出状況

2003 年 9 月~2004 年 8 月(2003/2004 シーズン)より 2006 年 9 月~2007 年 8 月(2006/2007 シーズン)の 4 期間に検出された A 群ロタウイルスの G 血清型別を PCR 法で行った.調査期間を通じて,最も共通して検出された G 血清型は,G1 型 27 例と G3 型 33 例であり,残り G4 型 4 例であった.G2 型と G9 型は調査期間中,全く検出されなかった.期間別で多かったのは,2003/2004 シーズンが G1 型 50% と G3 型 38%,2004/2005 シーズンが G3 型79%,2005/2006 シーズン...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 85; no. 1; pp. 16 - 20
Main Authors 中村, 久子, 丸茂, 健治, 岩澤, 篤郎, 田澤, 節子, 川野, 留美子, 菊池, 敏樹, 長島, 梧郎, 田口, 和三, 磯山, 恵一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 01.01.2011
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Summary:2003 年 9 月~2004 年 8 月(2003/2004 シーズン)より 2006 年 9 月~2007 年 8 月(2006/2007 シーズン)の 4 期間に検出された A 群ロタウイルスの G 血清型別を PCR 法で行った.調査期間を通じて,最も共通して検出された G 血清型は,G1 型 27 例と G3 型 33 例であり,残り G4 型 4 例であった.G2 型と G9 型は調査期間中,全く検出されなかった.期間別で多かったのは,2003/2004 シーズンが G1 型 50% と G3 型 38%,2004/2005 シーズンが G3 型79%,2005/2006 シーズンが G1 型 91%,2006/2007 シーズンが G1 型 37% と G3 型の 63% であった.また,患児月齢と検出された G 血清型に有意差は認められなかった.ロタウイルス感染症の三大主症状である発熱,下痢,嘔吐の有無に関して,全症状を呈した患児は 48%と最も多かったが,これらの症状は G 血清型と関連しなかった.G 血清型別は流行時期の違いや地域的流行を疫学的に理解するうえで重要である.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi.85.16