薬局薬剤師業務の進展と6年制薬学教育—新しい薬学教育モデル・コア・カリキュラムが目指す臨床薬学教育

2023年薬学教育モデル・コア・カリキュラム(コアカリ)が改訂された.医学部,歯学部と連携した新しいコアカリは,2013年に訂正されたコアカリから大きく進化して「学習成果基盤型教育」を本格的に取り入れた形式で,学生が身に付けるべき学修目標と学修事項で構成され,「薬剤師として求められる基本的な資質・能力」が生涯研鑽の目標として提示された.新しい教育方針では,知識をただ覚えるのではなく,一般化,概念化して自在に活用できることを求めている.また,基礎薬学から医療薬学,衛生薬学と知識を積み重ねながら臨床薬学に進んで,個別最適な薬物治療などを実践する体制の構築を目指す.「実務実習に関するガイドライン」も...

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Published in薬局薬学 Vol. 16; no. 1; pp. 1 - 7
Main Author 鈴木, 匡
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本薬局学会 2024
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ISSN1884-3077
2434-3242
DOI10.32160/yakkyoku.ra.2024-1000

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Summary:2023年薬学教育モデル・コア・カリキュラム(コアカリ)が改訂された.医学部,歯学部と連携した新しいコアカリは,2013年に訂正されたコアカリから大きく進化して「学習成果基盤型教育」を本格的に取り入れた形式で,学生が身に付けるべき学修目標と学修事項で構成され,「薬剤師として求められる基本的な資質・能力」が生涯研鑽の目標として提示された.新しい教育方針では,知識をただ覚えるのではなく,一般化,概念化して自在に活用できることを求めている.また,基礎薬学から医療薬学,衛生薬学と知識を積み重ねながら臨床薬学に進んで,個別最適な薬物治療などを実践する体制の構築を目指す.「実務実習に関するガイドライン」も改訂され,新しいコアカリに準拠した患者・生活者を担当する実習を今後整備していく.これらの新しい指針は,激しい社会の変化に対応して,真に社会に貢献する薬剤師の育成に最も必要な「課題発見・解決」能力の向上を目指すものでもある.現在までの薬剤師業務の変遷を鑑みれば,薬剤師自身の力で未知の課題を解決していくことが求められる.6年制薬学部では,それを可能にするための新しい教育を進めていくことが急務である.
ISSN:1884-3077
2434-3242
DOI:10.32160/yakkyoku.ra.2024-1000