地域看護学実習における学生の学びからみた家庭訪問実習の効果と課題
本研究の目的は,地域看護学実習において,家庭訪問の実習体験から得た学生の学びの内容を明らかにすることにより,家庭訪問実習の効果と今後の課題を検討することである.地域看護学実習において保健師同行による家庭訪問を体験した大学4年生79名を対象とし,実習終了後に学生が記載した「地域看護学実習レポート」の記述内容を質的に分析した.その結果,家庭訪問体験からの学びの記述は360件抽出され,実習目標に照らして37カテゴリーに分類された.家庭訪問の体験は,学生が対象者の生活の場で生活実態や生活環境に直接触れる体験であるとともに,保健師の対象者への援助過程を見たり聞いたりする機会であることから,学生は,家庭の...
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Published in | 日本地域看護学会誌 Vol. 11; no. 1; pp. 81 - 86 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本地域看護学会
2008
Japan Academy of Community Health Nursing |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1346-9657 2432-0803 |
DOI | 10.20746/jachn.11.1_81 |
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Summary: | 本研究の目的は,地域看護学実習において,家庭訪問の実習体験から得た学生の学びの内容を明らかにすることにより,家庭訪問実習の効果と今後の課題を検討することである.地域看護学実習において保健師同行による家庭訪問を体験した大学4年生79名を対象とし,実習終了後に学生が記載した「地域看護学実習レポート」の記述内容を質的に分析した.その結果,家庭訪問体験からの学びの記述は360件抽出され,実習目標に照らして37カテゴリーに分類された.家庭訪問の体験は,学生が対象者の生活の場で生活実態や生活環境に直接触れる体験であるとともに,保健師の対象者への援助過程を見たり聞いたりする機会であることから,学生は,家庭の場で観察できる情報の特質を理解し,家庭訪問におけるアセスメントや保健医療福祉サービス利用促進,家族の問題解決能力向上などの具体的な援助方法を理解することができていた.一方,訪問計画の立案や訪問記録の作成などの学びが少ないことから,学内演習も含めた教員の指導方法の工夫と,実習中に体験させる内容や方法についての実習施設側との協議が必要であると考えられた. |
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ISSN: | 1346-9657 2432-0803 |
DOI: | 10.20746/jachn.11.1_81 |