2つの左室瘤から出現する複数の心室頻拍に対して, 心内膜・心外膜アブレーションおよび外科的手術により根治し得た心臓サルコイドーシスの1例

症例は66歳女性. 心室頻拍 (VT1 : 右脚ブロック・下方軸) のstormにてカテーテルアブレーションを施行. 左室後側壁および心尖部に心室瘤を認め, 後日心臓サルコイドーシスと診断. 心内・外膜とも心室瘤に一致して低電位領域を認め, 頻拍中は後側壁瘤に最早期興奮部位を示す巣状興奮パターンを呈した. 心外膜最早期部位では著明な分裂電位を認め, 同部位への通電で頻拍は停止. その後, VT2 (右脚ブロック・上方軸) が出現. VT2はエントレイメント現象を認め, 心尖部瘤の心外膜側で必須緩徐伝導部位が同定された. 挟部への通電でVT2は停止. 以後経過良好であったが, 数カ月後にslow...

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Published in心臓 Vol. 46; no. SUPPL.3; pp. S3_191 - S3_198
Main Authors 中島, 育太郎, 里見, 和浩, 川上, 大志, 執行, 秀彌, 石橋, 耕平, 宮本, 康二, 岡村, 英夫, 野田, 崇, 相庭, 武司, 小林, 順二郎, 鎌倉, 史郎, 草野, 研吾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2014
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Summary:症例は66歳女性. 心室頻拍 (VT1 : 右脚ブロック・下方軸) のstormにてカテーテルアブレーションを施行. 左室後側壁および心尖部に心室瘤を認め, 後日心臓サルコイドーシスと診断. 心内・外膜とも心室瘤に一致して低電位領域を認め, 頻拍中は後側壁瘤に最早期興奮部位を示す巣状興奮パターンを呈した. 心外膜最早期部位では著明な分裂電位を認め, 同部位への通電で頻拍は停止. その後, VT2 (右脚ブロック・上方軸) が出現. VT2はエントレイメント現象を認め, 心尖部瘤の心外膜側で必須緩徐伝導部位が同定された. 挟部への通電でVT2は停止. 以後経過良好であったが, 数カ月後にslow VTが出現. 再度経皮的アプローチも検討したが, 外科的瘤切除の方針とした. 心内膜はpatchyに線維変性を認め, 心尖部瘤形成, 後側壁瘤パッチ閉鎖および心室瘤-僧帽弁輪間のCryoアブレーションを施行した. 以後心室性不整脈は出現せず経過良好である.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.46.S3_191