呼吸器外科周術期の Interleukin-6 (IL-6) の変動とmodulation 効果

呼吸器外科周術期におけるInterleukin-6 (IL-6) の変動とその意義につき検討した.肺癌切除30例のほか計67例を対象とし, 周術期のIL-6, 顆粒球エラスターゼ (PMN-E) および急性相蛋白 (CRP, IAP) の測定をおこない手術侵襲の評価を行った.術前術後合併症のない症例では, IL-6, PMN-E は第1病日に上昇しピークを形成し, 以後漸減した.開胸を伴った術式ではIL-6の値に差は認めず, 鏡視下手術では試験開胸に比較し有意に低値であった.麻酔導入時にメチルプレドニゾロン250mg/body 静注した群では非投与群に比べIL-6は約65%減少し, CRP,...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 12; no. 4; pp. 506 - 510
Main Authors 山崎, 弘資, 平田, 哲, 越湖, 進, 杉本, 泰一, 森山, 博史, 小久保, 拓, 笹嶋, 唯博, 八柳, 英治, 久保, 良彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.05.1998
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.12.506

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Summary:呼吸器外科周術期におけるInterleukin-6 (IL-6) の変動とその意義につき検討した.肺癌切除30例のほか計67例を対象とし, 周術期のIL-6, 顆粒球エラスターゼ (PMN-E) および急性相蛋白 (CRP, IAP) の測定をおこない手術侵襲の評価を行った.術前術後合併症のない症例では, IL-6, PMN-E は第1病日に上昇しピークを形成し, 以後漸減した.開胸を伴った術式ではIL-6の値に差は認めず, 鏡視下手術では試験開胸に比較し有意に低値であった.麻酔導入時にメチルプレドニゾロン250mg/body 静注した群では非投与群に比べIL-6は約65%減少し, CRP, IAP も投与群で有意に低値となった.以上より呼吸器外科において, IL-6の経時的な測定は周術期管理の侵襲のモニターとして有用であり, また過大侵襲が予測される症例においてはステロイド投与が患者管理において有用と考えられた.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.12.506