顎顔面外傷により生じた歯牙脱臼・歯槽骨骨折

「はじめに」歯科臨床において日々接する機会の多い症例は, う蝕, 歯周病の処置, 歯冠, 歯列欠損部に対する補綴処置および抜歯中心とした口腔内観血的処置である. その中で, 歯科救急処置としては顎顔面外傷による歯牙破折, 歯牙脱臼および歯槽骨骨折などが挙げられる. 顎顔面外傷のうち, 歯牙損傷ならびに歯槽骨骨折の占める割合は高く, 約45%といわれている. 今回, 顎顔面外傷により歯牙損傷, 歯槽骨および下顎骨骨折を呈し, 開口障害, 咬合不全を認めた症例を紹介する. 「症例紹介」患者は55歳, 男性. 某日, 飲酒後約1~2分の意識消失発作後, 転倒. その際下顎を打撲受傷し, 当院救急外来...

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Published in順天堂医学 Vol. 57; no. 6; pp. 674 - 676
Main Authors 上田, 浩一朗, 篠原, 光代, 川島, 成人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 順天堂医学会 31.12.2011
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ISSN0022-6769
2188-2134
DOI10.14789/pjmj.57.674

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Summary:「はじめに」歯科臨床において日々接する機会の多い症例は, う蝕, 歯周病の処置, 歯冠, 歯列欠損部に対する補綴処置および抜歯中心とした口腔内観血的処置である. その中で, 歯科救急処置としては顎顔面外傷による歯牙破折, 歯牙脱臼および歯槽骨骨折などが挙げられる. 顎顔面外傷のうち, 歯牙損傷ならびに歯槽骨骨折の占める割合は高く, 約45%といわれている. 今回, 顎顔面外傷により歯牙損傷, 歯槽骨および下顎骨骨折を呈し, 開口障害, 咬合不全を認めた症例を紹介する. 「症例紹介」患者は55歳, 男性. 某日, 飲酒後約1~2分の意識消失発作後, 転倒. その際下顎を打撲受傷し, 当院救急外来を受診した. 救急外来受診時, 下顎および口唇に挫創を呈し, 歯牙破折, 歯牙脱臼および開口障害を認めた. CTにて下顎骨体部に骨折線を認め, 両側顎関節脱臼が疑われた. 顔面挫創部を縫合後, 全身管理目的に緊急入院となった. 翌日, 形成外科より歯牙破折, 歯牙脱臼にて当科へ紹介受診した.
ISSN:0022-6769
2188-2134
DOI:10.14789/pjmj.57.674