身体障害者更生相談所の来所相談記録からみた更生用装具作製に関わる課題

【目的】身体障害者更生相談所の判定記録を調査し、更生用短下肢装具作製に関する課題を検討すること。【対象と方法】更生相談所の来所判定を受けた脳血管障害者41名を対象とした。来所時の治療用装具の種類と判定された更生用装具の種類、治療用装具から更生用装具を作製するまでの期間、作製理由を調査した。【結果】更生用装具は、治療用装具に比べて制動力がより大きい装具に変更となる傾向が見られた。作製までの期間は、全ての装具で障害者総合支援法での耐用年数を超え、平均6.1年以上経過していた。作製理由は、医療関係者からの助言が約半数を占めていた。【結論】更生用装具作製に関する課題として、装具使用者は退院後も治療用装...

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Published in支援工学理学療法学会誌 Vol. 2; no. 2; pp. 53 - 57
Main Authors 笠井, 健治, 清宮, 清美, 石井, 佑穂, 中野, 克己, 小川, 秀幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本支援工学理学療法学会 25.03.2023
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ISSN2436-6951
DOI10.57302/jatpt.2.2_53

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Summary:【目的】身体障害者更生相談所の判定記録を調査し、更生用短下肢装具作製に関する課題を検討すること。【対象と方法】更生相談所の来所判定を受けた脳血管障害者41名を対象とした。来所時の治療用装具の種類と判定された更生用装具の種類、治療用装具から更生用装具を作製するまでの期間、作製理由を調査した。【結果】更生用装具は、治療用装具に比べて制動力がより大きい装具に変更となる傾向が見られた。作製までの期間は、全ての装具で障害者総合支援法での耐用年数を超え、平均6.1年以上経過していた。作製理由は、医療関係者からの助言が約半数を占めていた。【結論】更生用装具作製に関する課題として、装具使用者は退院後も治療用装具を長期間使用し続けている傾向が高いことが明らかとなった。一方、身近にいる医療従事者がそれらの問題解決に向けた助言をすることで生活に必要な更生用装具作製につながる可能性が高いことが示された。
ISSN:2436-6951
DOI:10.57302/jatpt.2.2_53