新型インフルエンザ国内発生初期に対する医療体制の検討

我が国では新型インフルエンザ発生の初期には発熱外来,発熱相談センター,措置入院といった特殊な医療体制をとることになっていた.こういった特殊な医療体制は 2009 年 5 月に発生した神戸市における新型インフルエンザ国内発生初期において国内で初めての本格的に実施された.この時期に神戸市で行われた医療体制の問題点とその役割について検討した.その結果,国内発生が報じられると発熱相談センター,発熱外来,措置入院への負荷が急激にかかること.これらの急増に対して発熱相談センターは発熱外来に診療不可能なほどの患者や電話相談が集中することを防いでいること.これらの医療体制のなかで措置入院がもっとも早い段階でオ...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 85; no. 1; pp. 37 - 41
Main Authors 坂本, 悦子, 春田, 恒和, 江藤, 正明, 竹川, 啓史, 林, 三千雄, 中浴, 伸二, 立溝, 江三子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 01.01.2011
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ISSN0387-5911
1884-569X
DOI10.11150/kansenshogakuzasshi.85.37

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Summary:我が国では新型インフルエンザ発生の初期には発熱外来,発熱相談センター,措置入院といった特殊な医療体制をとることになっていた.こういった特殊な医療体制は 2009 年 5 月に発生した神戸市における新型インフルエンザ国内発生初期において国内で初めての本格的に実施された.この時期に神戸市で行われた医療体制の問題点とその役割について検討した.その結果,国内発生が報じられると発熱相談センター,発熱外来,措置入院への負荷が急激にかかること.これらの急増に対して発熱相談センターは発熱外来に診療不可能なほどの患者や電話相談が集中することを防いでいること.これらの医療体制のなかで措置入院がもっとも早い段階でオーバーフローする可能性が高く,重症例のみの収容など早期に柔軟な対応がとれる様に準備する必要があることなどが示唆された.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi.85.37