肝細胞癌に対し分子標的薬を投与1か月後に胃静脈瘤出血を認めた1例
「はじめに」肝細胞癌に対する分子標的薬投与後の有害事象としてソラフェニブのvascular endothelial growth factor(VEGF)阻害作用による血管内皮や粘膜の障害によると推察される消化管出血を認めることがあり, その中には少数ではあるが食道胃静脈瘤出血の報告も挙げられる. 今回我々は分子標的薬投与1か月後に胃静脈瘤出血を起こした症例を経験したので報告する. 「症例」症例: 70歳台 女性 主訴: なし 既往歴: 甲状腺機能低下症, 高血圧症 飲酒歴・喫煙歴: なし 現病歴 C型肝硬変を背景とした多発肝細胞癌のため肝動脈化学塞栓術を繰り返し受けていた. 4年前から胃静脈...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 102; no. 1; pp. 68 - 70 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
30.06.2023
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.102.1_68 |
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Summary: | 「はじめに」肝細胞癌に対する分子標的薬投与後の有害事象としてソラフェニブのvascular endothelial growth factor(VEGF)阻害作用による血管内皮や粘膜の障害によると推察される消化管出血を認めることがあり, その中には少数ではあるが食道胃静脈瘤出血の報告も挙げられる. 今回我々は分子標的薬投与1か月後に胃静脈瘤出血を起こした症例を経験したので報告する. 「症例」症例: 70歳台 女性 主訴: なし 既往歴: 甲状腺機能低下症, 高血圧症 飲酒歴・喫煙歴: なし 現病歴 C型肝硬変を背景とした多発肝細胞癌のため肝動脈化学塞栓術を繰り返し受けていた. 4年前から胃静脈瘤(Lg-f, F2, Cw, RC0)を指摘されており, 1年に1回の定期的な上部消化管内視鏡検査で経過観察されていた. 6か月前に施行された上部消化管内視鏡検査で胃静脈瘤の形態に変化は認められていなかった. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.102.1_68 |