硫酸イオン分析計を用いたヒト尿,血清中の無機硫酸イオン及び結合型硫酸基の定量

硫酸イオン分析計を用いて尿,血清中の無機硫酸イオンと結合型硫酸基を測定するための諸条件を検討した. 尿の場合,無機硫酸イオンは5倍希釈尿10μlを直接分析計に注入して測定した.結合型硫酸基は3N塩酸で100℃,60分間加水分解した後,過剰の塩化物イオンを酸化銀で処理した上澄液10μlを注入した. 血清についてはトリクロロ酢酸(TCA)と有機溶媒による除たん白法を検討し,20%TCAが良い結果を与えた.血清中の無機硫酸イオンは20%TCAで除たん白した上澄液100μlを,又結合型硫酸基は除たん白上澄液を3N塩酸で100℃,120分間加水分解した後尿の場合と同様酸化銀処理を行い,その上澄液100μ...

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Published in分析化学 Vol. 29; no. 8; pp. 543 - 547
Main Authors 戸井田, 敏彦, 田辺, 信三, 今成, 登志男, 大久保, 登, 宮崎, 元一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 01.08.1980
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.29.8_543

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Summary:硫酸イオン分析計を用いて尿,血清中の無機硫酸イオンと結合型硫酸基を測定するための諸条件を検討した. 尿の場合,無機硫酸イオンは5倍希釈尿10μlを直接分析計に注入して測定した.結合型硫酸基は3N塩酸で100℃,60分間加水分解した後,過剰の塩化物イオンを酸化銀で処理した上澄液10μlを注入した. 血清についてはトリクロロ酢酸(TCA)と有機溶媒による除たん白法を検討し,20%TCAが良い結果を与えた.血清中の無機硫酸イオンは20%TCAで除たん白した上澄液100μlを,又結合型硫酸基は除たん白上澄液を3N塩酸で100℃,120分間加水分解した後尿の場合と同様酸化銀処理を行い,その上澄液100μlを分析計に注入し測定した. 本法での回収率は(98.4~103.6)%と良好な結果を与えた.又,本法を用いて健康人血清,尿中の無機硫酸イオン及び結合型硫酸基の分析を行った.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.29.8_543