上腕骨顆骨化不全が原因と考えられた上腕骨内顆骨折を呈したヨークシャテリアの1例

6カ月齢のヨークシャテリアが右前肢跛行を主訴に来院した。X線検査から右上腕骨内顆の骨折が認められた。骨折部位の形態的把握および対側肢の精査を行うためCT検査を実施したところ左右上腕骨顆骨化不全(IOHC)を伴う右上腕骨内顆骨折 (Salter-Harris Ⅳ型)と診断された。正確なアライメントの整復が求められるため外科的治療を行った。骨折部はピンニングおよびラグスクリューによって整復された。また上腕骨顆間の重度の圧着を防ぐため上腕骨とラグスクリューの間にワッシャーを用いた。症例の術後の経過は良好である。若齢で上腕骨顆骨折が認められた場合や既往歴から骨折の外的要因の程度が重度ではない場合などは...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in動物臨床医学 Vol. 30; no. 2; pp. 36 - 39
Main Authors 吉田, 智彦, 小材, 祐介, 竹内, 亜樹, 馬, 丹夫, 米田, 峻汰, 森, 裕子, 田中, 綾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 動物臨床医学会 25.06.2021
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:6カ月齢のヨークシャテリアが右前肢跛行を主訴に来院した。X線検査から右上腕骨内顆の骨折が認められた。骨折部位の形態的把握および対側肢の精査を行うためCT検査を実施したところ左右上腕骨顆骨化不全(IOHC)を伴う右上腕骨内顆骨折 (Salter-Harris Ⅳ型)と診断された。正確なアライメントの整復が求められるため外科的治療を行った。骨折部はピンニングおよびラグスクリューによって整復された。また上腕骨顆間の重度の圧着を防ぐため上腕骨とラグスクリューの間にワッシャーを用いた。症例の術後の経過は良好である。若齢で上腕骨顆骨折が認められた場合や既往歴から骨折の外的要因の程度が重度ではない場合などはIOHCの存在を考慮し,CT検査を含む各種検査および手術計画を立てることはは重要であると考えられた。
ISSN:1344-6991
1881-1574
DOI:10.11252/dobutsurinshoigaku.30.36