経皮的心外膜カテーテルアブレーションが無効であった致死性不整脈に対する外科的直達手術の有効性
症例 1 : 肥大型心筋症を指摘されていた45歳, 男性. 2012年 5月失神発作のため, 近医に搬送された. 搬送時, NSVT, PVCが頻発しており, アミオダロンを含む各種AADに抵抗性であり, 鎮静にてのみVTが抑制された. 加療のため当院へ転院となり, 緊急アブレーションを施行. 左室造影にて心尖部に心室瘤を認め, PVCは瘤近傍から出現していた. 経血管的に挿入したカテーテルでの焼灼は全く無効であり, 剣状突起下穿刺での心外膜アブレーションへ移行した. 早期性を指標に瘤付近を通電したが, 一過性の抑制が得られるのみで根治には至らなかった. 後日, 国立循環器病研究センターに転院...
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Published in | Shinzo Vol. 45; no. SUPPL.3; p. S3_142 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2013
Japan Heart Foundation |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.45.S3_142 |
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Summary: | 症例 1 : 肥大型心筋症を指摘されていた45歳, 男性. 2012年 5月失神発作のため, 近医に搬送された. 搬送時, NSVT, PVCが頻発しており, アミオダロンを含む各種AADに抵抗性であり, 鎮静にてのみVTが抑制された. 加療のため当院へ転院となり, 緊急アブレーションを施行. 左室造影にて心尖部に心室瘤を認め, PVCは瘤近傍から出現していた. 経血管的に挿入したカテーテルでの焼灼は全く無効であり, 剣状突起下穿刺での心外膜アブレーションへ移行した. 早期性を指標に瘤付近を通電したが, 一過性の抑制が得られるのみで根治には至らなかった. 後日, 国立循環器病研究センターに転院し, 左室瘤と心筋切除術および冷凍凝固を施行し, VTは根治した. 症例 2 : 2012年 9月に前壁中隔の心筋梗塞を発症した68歳. 入院中にpulseless VTが頻発し, 停止には直流通電を頻回に要した. VTはアミオダロンを含む各種AADに抵抗性であり, 加療のため当院へ転院となった. 残存狭窄へのPCIなどでもVTは抑制されず, 緊急にアブレーションを施行した. 左室心尖部に血栓を認めたため, まず心外膜より異常電位を指標にアブレーションを試みたが, 顕著な異常電位を認めず, 効果不十分と判断した. 次いで心内膜側のアブレーションへ変更したが, 血栓付近にカテーテルを留置できず, 同様に顕著な異常電位部位での通電は不可能であった. VTは翌日再発し, 緊急的に左室瘤切除および冷凍凝固を施行し, VTは完全に消失した. 経皮的アブレーションが無効であり, 内科的治療の限界と考えられた 2症例を経験したため, 報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.45.S3_142 |