トリガーPVCの起源である右室中隔に一致した部位にLGEを認めた “特発性” 多形性心室頻拍の1例

特に既往症はなく, マラソンを愛好する生来健康な57歳男性. 洗濯物を干している時に失神した. 救急搬送先での心電図は正常範囲内で, QT延長はなかった. ホルター心電図にて, 連結期の長い心室性期外収縮 (VPC) に続く非持続多形性心室頻拍 (VT) (CL 240ms, 最高8連発) が日中頻回に記録された. 当院を受診後の心臓超音波検査, 冠動脈造影検査では異常を認めず, 血行動態の破綻する特発性多形性VTと診断された. ソタロール内服にてVTは抑制されたが, トリガーの左脚ブロック型VPCに対してカテーテルアブレーションを施行した. 右室のvoltage mapでは低電位領域は認めず...

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Published in心臓 Vol. 46; no. SUPPL.2; pp. S2_173 - S2_178
Main Authors 白井, 康大, 佐々木, 毅, 井原, 健介, 杉山, 浩二, 田尾, 進, 川端, 美穂子, 横山, 泰廣, 笹野, 哲郎, 平尾, 見三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2014
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Summary:特に既往症はなく, マラソンを愛好する生来健康な57歳男性. 洗濯物を干している時に失神した. 救急搬送先での心電図は正常範囲内で, QT延長はなかった. ホルター心電図にて, 連結期の長い心室性期外収縮 (VPC) に続く非持続多形性心室頻拍 (VT) (CL 240ms, 最高8連発) が日中頻回に記録された. 当院を受診後の心臓超音波検査, 冠動脈造影検査では異常を認めず, 血行動態の破綻する特発性多形性VTと診断された. ソタロール内服にてVTは抑制されたが, トリガーの左脚ブロック型VPCに対してカテーテルアブレーションを施行した. 右室のvoltage mapでは低電位領域は認めず, 右室中部中隔側においてペースマップが良好な部位に高周波通電を行った. アブレーション後, VTの再発を認めていない. 心臓MRIでは心室中隔にLGEを認めており, 多形性VTの基質あるいはそのVTのトリガーとなるVPCの発生に局所的な心筋障害の関与が疑われた.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.46.S2_173