日本の「地域保健活動におけるパートナーシップ」 : 概念分析

目的:日本の「地域保健活動におけるパートナーシップ」の概念を分析し,同概念の日本での特徴と地域保健分野への活用を検討する.方法:Rodgersの概念分析の方法論に基づき,同概念の特性,先行因子,帰結,代用語を明らかにした.結果:特性として,【異なる立場の人々・機関の対等な相互関係】という活動の理念と,【試行錯誤しながら関係をつくりともに活動を発展させていく】という方策が見出された.本概念は,【コミュニティで取り組む必要のある課題】,【社会の要請】,【専門職による活動の限界の認識と挑戦への志向】を先行因子として生じていた.さらに帰結として,【専門職の期待を超える個人・相互・コミュニティの成長と発...

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Published in日本地域看護学会誌 Vol. 12; no. 1; pp. 44 - 49
Main Authors 麻原, きよみ, 安武, 綾, 鈴木, 良美, 有本, 梓, 長弘, 佳恵, 平野, 優子, 大森, 純子, 龍, 里奈, 酒井, 昌子, 小林, 真朝, 宮崎, 紀枝, 尾崎, 章子, 安齋, ひとみ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本地域看護学会 2009
Japan Academy of Community Health Nursing
Subjects
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ISSN1346-9657
2432-0803
DOI10.20746/jachn.12.1_44

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Summary:目的:日本の「地域保健活動におけるパートナーシップ」の概念を分析し,同概念の日本での特徴と地域保健分野への活用を検討する.方法:Rodgersの概念分析の方法論に基づき,同概念の特性,先行因子,帰結,代用語を明らかにした.結果:特性として,【異なる立場の人々・機関の対等な相互関係】という活動の理念と,【試行錯誤しながら関係をつくりともに活動を発展させていく】という方策が見出された.本概念は,【コミュニティで取り組む必要のある課題】,【社会の要請】,【専門職による活動の限界の認識と挑戦への志向】を先行因子として生じていた.さらに帰結として,【専門職の期待を超える個人・相互・コミュニティの成長と発展】と【コミュニティの健康指標の改善】をもたらしていた.考察・結論:本概念は,「異なる立場の人々・機関の対等な相互関係という地域保健活動の理念である.そしてこの理念を基盤に,活動を支えるしくみをつくりながら,互いに信頼し対等な関係をつくろうとし,目的・情報・経験を共有し,主体的に力を活かし育ちあうことを通じて,関係をつくりともに活動を発展させていくという地域保健活動の方策でもある」と定義された.本概念の日本での特徴は,相互の関係性を重視することであり,本概念は日本の地域保健活動において,パートナーシップを基盤として活動や評価を行う際の指針となると考えられる.
ISSN:1346-9657
2432-0803
DOI:10.20746/jachn.12.1_44