拡張型心筋症広範囲scar内にlate potential, exitの異なる遅延伝導部位を同定, 線状焼灼により根治に至った心室頻拍の1例

症例は68歳男性. 2012年6月ICD頻回作動, 薬剤抵抗性心室頻拍 (VT) のためカテーテルアブレーション施行. Entrainment mappingにより持続するVT (右脚ブロック型下方軸周期330msec) のexitを同定したが, 5種類のVTが誘発され, 根治せず終了となった. 抗不整脈薬にて経過観察したが2013年6月再びICD作動, 2回目のカテーテルアブレーション施行となった. 2回目は洞調律中にコンタクトフォースカテーテル (J & J社製) を用い, より正確なvoltage mappingから広範囲scarを同定. Scar内に多くのlate potent...

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Published in心臓 Vol. 46; no. SUPPL.3; pp. S3_232 - S3_238
Main Authors 高木, 泰, 原田, 智雄, 高野, 誠, 中野, 恵美, 山田, 麻里可, 鈴木, 規雄, 古川, 俊行, 明石, 嘉浩, 西尾, 智, 滝村, 由香子, 宮崎, 秀和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2014
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Summary:症例は68歳男性. 2012年6月ICD頻回作動, 薬剤抵抗性心室頻拍 (VT) のためカテーテルアブレーション施行. Entrainment mappingにより持続するVT (右脚ブロック型下方軸周期330msec) のexitを同定したが, 5種類のVTが誘発され, 根治せず終了となった. 抗不整脈薬にて経過観察したが2013年6月再びICD作動, 2回目のカテーテルアブレーション施行となった. 2回目は洞調律中にコンタクトフォースカテーテル (J & J社製) を用い, より正確なvoltage mappingから広範囲scarを同定. Scar内に多くのlate potentialが存在, S-QRS時間の延長 (180msec) を伴う異なるexitも同定され数種類のVTの必須緩徐伝導路と考えた. Exitの焼灼, scar内を線状焼灼後, clinical VTは誘発不能となった. 最終的にscar周囲を旋回する遅いVT (周期460msec) が誘発されたがscarから僧帽弁輪まで線状焼灼を追加, VTの誘発は完全に抑制された. 以後, VTの再発を認めず, 経過は良好である.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.46.S3_232