心内膜側ならびに術中心外膜側マッピング下アブレーションにより根治し得た経皮的中隔心筋焼灼術後心室頻拍の1例
症例は76歳, 女性. 閉塞性肥大型心筋症に対する経皮的中隔心筋焼灼術 (PTSMA) 施行5年後にVTが出現. MRIでは左室基部~中部中隔に辺縁不整の瘢痕を認めた. EPSでは心室刺激による誘発と停止が可能な2種類のVTを認めた. VT#1 (RBBB+RAD) は左室中隔基部のPTSMAによると思われる低電位領域の前縁に関連する限局した範囲内のマクロリエントリーであり, 収縮期電位の最早期部位での通電で誘発不能となった. VT#2 (RBBB+LAD) は瘢痕後縁の僧帽弁輪後中隔が最早期のfocal VTパターンを示し, 心内膜, CS内通電が無効. 僧帽弁形成術中開胸下に心外膜マッピン...
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Published in | Shinzo Vol. 41; no. SUPPL.4; pp. S4_173 - S4_179 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2009
Japan Heart Foundation |
Subjects | |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.41.S4_173 |
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Summary: | 症例は76歳, 女性. 閉塞性肥大型心筋症に対する経皮的中隔心筋焼灼術 (PTSMA) 施行5年後にVTが出現. MRIでは左室基部~中部中隔に辺縁不整の瘢痕を認めた. EPSでは心室刺激による誘発と停止が可能な2種類のVTを認めた. VT#1 (RBBB+RAD) は左室中隔基部のPTSMAによると思われる低電位領域の前縁に関連する限局した範囲内のマクロリエントリーであり, 収縮期電位の最早期部位での通電で誘発不能となった. VT#2 (RBBB+LAD) は瘢痕後縁の僧帽弁輪後中隔が最早期のfocal VTパターンを示し, 心内膜, CS内通電が無効. 僧帽弁形成術中開胸下に心外膜マッピングを施行したところ, 心内膜側と同様に後壁僧帽弁輪が最早期のfocal VTパターンを示し, 最早期部位の凍結アブレーション中に停止した. 術中にVT#1は誘発されず. 以後, 両VTは誘発不能となった. PTSMA瘢痕に関連するVTをマッピングし根治し得た症例を経験したので報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.41.S4_173 |