緩和ケア病棟において高流量鼻カニュラ酸素療法を使用した3症例

終末期がん患者の呼吸困難に対する高流量鼻カニュラ酸素療法(HFNC)はガイドラインなどで言及されているが,その適応はいまだに確立していない.今回われわれは,緩和ケア病棟入院中にHFNCを導入することで,呼吸困難が増悪する中でも,会話や食事といった日常生活動作の楽しみを維持し,それぞれの患者が「その人らしく」終末期を過ごすことができた3症例を経験した.緩和ケア病棟におけるHFNCは,効果と侵襲性とのバランスを慎重に検討したうえで実施すれば,呼吸困難の緩和による患者のQOL維持向上に寄与すると考えられた....

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Published inPalliative Care Research Vol. 19; no. 1; pp. 1 - 5
Main Authors 鈴木, 優太郎, 大野, 茂樹, 石川, ゆりか, 金島, 正幸, 佐藤, 哲観
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本緩和医療学会 2024
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Summary:終末期がん患者の呼吸困難に対する高流量鼻カニュラ酸素療法(HFNC)はガイドラインなどで言及されているが,その適応はいまだに確立していない.今回われわれは,緩和ケア病棟入院中にHFNCを導入することで,呼吸困難が増悪する中でも,会話や食事といった日常生活動作の楽しみを維持し,それぞれの患者が「その人らしく」終末期を過ごすことができた3症例を経験した.緩和ケア病棟におけるHFNCは,効果と侵襲性とのバランスを慎重に検討したうえで実施すれば,呼吸困難の緩和による患者のQOL維持向上に寄与すると考えられた.
ISSN:1880-5302
DOI:10.2512/jspm.19.1