生体医工学研究者のワークライフバランスの一例

著者らは夫婦とも生体医工学の研究者であり,小学生の子供2人の子育てをしている.ここでは男性研究者からよいワークライフバランス(ここでは研究と家事や育児のバランス)を取ることによる研究生活への効果について,著者らの拙い体験を,成功,失敗,反省など織り交ぜて共有し,議論の題材としたい.特に,男性研究者が家事や育児に参加して得られる経験が研究活動にどのようにプラスに作用するかについて発信したい.まず家事と育児で磨かれるマルチタスク能力は,主観的ではあるが研究チームを俯瞰的に眺めることの助けとなり,マネジメントにも活かされることがあったように思う.また,この能力は限られた研究時間で多様な業務を効率的に...

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Published in生体医工学 Vol. Annual58; no. Abstract; p. 168
Main Authors 関野, 正樹, 山口, さち子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2020
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Summary:著者らは夫婦とも生体医工学の研究者であり,小学生の子供2人の子育てをしている.ここでは男性研究者からよいワークライフバランス(ここでは研究と家事や育児のバランス)を取ることによる研究生活への効果について,著者らの拙い体験を,成功,失敗,反省など織り交ぜて共有し,議論の題材としたい.特に,男性研究者が家事や育児に参加して得られる経験が研究活動にどのようにプラスに作用するかについて発信したい.まず家事と育児で磨かれるマルチタスク能力は,主観的ではあるが研究チームを俯瞰的に眺めることの助けとなり,マネジメントにも活かされることがあったように思う.また,この能力は限られた研究時間で多様な業務を効率的にこなす術ともなった.小学生が面白いと感じるほど簡潔に説明できるかという視点・技術でプレゼンを企画することは,講演,予算獲得,教育の全てにおいて活かされる点があった.さらに,マイコンなどのツールを子供とともに作る際に,生体医工学の研究にも有用な気づきが得られることがあった.もちろん,こういった観点が無くても夫婦で家事や育児をすることが望ましいが,まだ仕事面に時間を使うことが多い研究者が興味を抱く端緒となれば幸いである.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual58.168