たこつぼ型心筋症における致死性不整脈の発生時期および時間帯に関する検討

背景 : たこつぼ型心筋症は一般的に予後良好な疾患として知られているが, 時にQT時間の延長から, 致死性不整脈である多形性心室頻拍 (Torsades de Pointes : TdP) ならびに心室細動 (VF) を起こすことがある. しかしながら, その発生時期や時間帯などの詳細について不明な点も多い. 方法および結果 : 対象は2006年2月~2015年4月までに当院でたこつぼ型心筋症と診断した134症例のうち, 致死性不整脈は6例 (男性1例, 女性5例, 年齢73歳 (中央値) ) に発生した. TdPを4例に, VFは2例に認めた. 致死性不整脈発生時の平均QTc時間は691ms...

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Published in心臓 Vol. 48; no. SUPPL.1; p. S1_144
Main Authors 和田, 有希, 野田, 崇, 鎌倉, 令, 井上, 優子, 和田, 暢, 石橋, 耕平, 宮本, 康二, 永瀬, 聡, 相庭, 武司, 鎌倉, 史郎, 草野, 研吾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2016
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Summary:背景 : たこつぼ型心筋症は一般的に予後良好な疾患として知られているが, 時にQT時間の延長から, 致死性不整脈である多形性心室頻拍 (Torsades de Pointes : TdP) ならびに心室細動 (VF) を起こすことがある. しかしながら, その発生時期や時間帯などの詳細について不明な点も多い. 方法および結果 : 対象は2006年2月~2015年4月までに当院でたこつぼ型心筋症と診断した134症例のうち, 致死性不整脈は6例 (男性1例, 女性5例, 年齢73歳 (中央値) ) に発生した. TdPを4例に, VFは2例に認めた. 致死性不整脈発生時の平均QTc時間は691msと延長を認めた. 致死性不整脈はたこつぼ型心筋症発症後1-2日目が3例, 6-7日目が3例であり, 発生時間は午前6時台が2例で, 残りの4例は16時から20時であった. 結語 : たこつぼ心筋症における致死性不整脈の発生予測は困難で, 急性期にはモニターによる十分な監視が必要である.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.48.S1_144